みわはるき展
《唇 X 》
MIWA Haruki
みわはるき展の展示風景です。
各壁面ごとの展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「kuchibiru X no.3」、「kuchibiru X no.4」で、サイズは共に1121(H)×1455(W)mm (F80)です。
正面の壁面です。
「kuchibiru X no.6」で、1121(H)×1455(W)mm (F80)です。
右側の壁面です。
左から、「kuchibiru X no.5」、「kuchibiru X no.2」で、サイズは共に1121(H)×1455(W)mm (F80)です。
入口横の壁面です。
左から、「kuchibiru X no.11」、「kuchibiru X no.15」、「kuchibiru X no.14」、「kuchibiru X no.9」、「kuchibiru X no.19」、「kuchibiru X no.12」、「kuchibiru X no.16」、「kuchibiru X no.18」、「kuchibiru X no.10」、「kuchibiru X no.17」でサイズはすべて139×179mm (F0)です。
以上の15点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品はすべて綿布にアクリル絵具を使用しています。
左壁面の「kuchibiru X no.3」です。
みわさんの唇シリーズもすでに10回目。
当初とは様相が大きく異なっています。
上の作品、タイトルを見なければ唇とは誰も思わないでしょう。
唇は溶解して、風景に姿を変えたかのようです。
4月の山梨の桃畑、丁度こんな感じで、山の斜面を桃の花のピンクが覆います。
同じく左壁面の「kuchibiru X no.4」です。
何ともやわらかな表現でしょうか。
ピンクとグリーンの補色がハーモニーを奏でて、イエローが隠し味になっています。
正面壁面の「kuchibiru X no.6」です。
ピンクの、お山です。
この作品、搬入時に「大観」というニックネームが付いたそうですが、なるほど、頷けますね。
右壁面の「kuchibiru X no.5」です。
これは山中の湖を連想させますね。
ところどころに絵具を綿布に染み込ませる技法を使っているが、今回の作品の特徴です。
「kuchibiru X no.2」です。
桃源郷を描いたような作品。
今回はこの作品に代表されるように、ピンクとグリーンの補色に色を絞って描画しています。
入口横壁面の10点の小品の中から4点選んでみました。
小品には小品の味わいがあって、ズラッと並ぶと、大作とは違った世界が開けています。
〈作家コメント〉形態は徐々に崩れて、いまや唇は溶け始めた。
ついに10回目の唇シリーズで、唇は唇という形態から解放されました。
といっても、元々みわさんは唇を描いていたわけではありません。
たまたま形態が(誰が見ても)唇に似ていたので、絵画への導入としてそのようなタイトルを付けたのでした。
いわば鑑賞者へのサービスといった意味合いの唇でしたが、ここまで継続するとは誰も思わなかったでしょう。
今回の展示、とても素直で穏やかで明るく見えます。
無駄も無ければ、力みといったものもありません。
筆の奔るまま、軽やかに描かれた風景画にも見えます。
しかしこの軽さには、10年という月日の積み重ねがあります。
単なる軽さではなく、年齢と修練が獲得した軽(かろ)みなのです。
この、いわばミニマルな要素で成り立っている絵画。
人はそれに何を見るのでしょうか。
わたしは、エロティシズムです。
何ともいえないエロティシズムです。
(そのような意味で、唇というシリーズタイトルは意外に適切だったかもしれませんね。)
みわさんの描くエロティシズムは、生命力です。
初期のほとばしるような生命力は、紆余曲折を経ながら、遠いところにたどり着きました。
エロティシズム、生命力の源へ、源泉へと。
だから、この優しい絵画には、力があります。
それは、絵画という表現方法が持っている力と重なり合います。
この幸福な出会いが、唇シリーズ10年(回)の成果かもしれません。
ご高覧よろしくお願い致します。
みわはるきパフォーマンスEXTRA PAGE(6/25)
パフォーマンス
6月25日 17:30〜
7月7日 15:30〜
2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2011年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展
会期
2011年6月25日(月)ー7月7日(土)
日曜休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)