みわはるき展の展示風景です。
画廊内は平面作品の展示です。
作品は綿布及び水性キャンバスにアクリルを使用しています。
大きな作品(F80号)が高い位置に展示されていますが、上下に空間がとれ、画面に比してスッキリとした印象を受けます。
各壁面ごとの展示をご覧いただきます。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、作品タイトル「kuchibiru V no.3」、 「kuchibiru V no.4」、 「kuchibiru V no.5」です。 サイズは三点共F80です。 |
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入口横右の壁面です。 「kuchibiru V no.6」で、F80です。 |
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左側の壁面です。 左から、「kuchibiru V no.1」で、F80、 「kuchibiru V no.2」で、S3です。 |
以上六点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに九点の小立体、芳名帳スペースに七点の小品(平面)が展示されています。
左壁面の「kuchibiru V no.1」です。
展覧会サブタイトルの《唇》とは、描いた絵画が唇に見えたことから出発しています。
唇を描いたつもりではなかったのですが、そう見えるのならそれを接点として描いていこう、が始まりです。
つまり、唇は画家と見る者を繋ぐ「形」であり、仮のモチーフでもあるのです。
そのシリーズの五回目ですが、斜めになった唇は、変容を始めたような印象です。
正面壁面の「kuchibiru V no.4」です。
こうなると、唇というより眼球に近いですね。
右上のブルーと中央のピンク、グリーンがみわさんらしい色使いで、画面に浮游感と「軽さ」を生んでいます。
個人的には、一番好きな作品です。
「形」の凡(おおよそ)はあらかじめ決まっています。
唇、ですね。
しかしそれは器であって、盛り込まれているのは「動き=運動」です。
線と色による、パフォーマンス。
それが、みわさんの絵画ではないでしょうか。
入口横右壁面の「kuchibiru V no.6」です。
道路側ウィンドウの小立体九点です。
石紛粘土を使用しています。
クローズアップですが、人の動きに見えませんか?
初日に行われたパフォーマンスで、みわさんはこれらの作品と同じ動きを見せていました。
それが作品に則っての動きなのか、それとも動きが最初にあったのか不明ですが、パフォーマンスのスナップショットに見えてきます。
これがみわさんの制作の原点かもしれません。
動く。
動くには、因があります。
何かがあって、それは動く。
動きの結果は、次の動きを生み、その総体は世界と呼ばれます。
わたしたちは、動いている。
休むことなく、動いている。
その正体は、生命と呼ばれています。
みわさんの絵画の真ん中には、生命がある。
生命の動きがある。
そう思ったのは、《唇シリーズ》の初期だったような記憶があります。
唇という仮象の中で、今回も生命が動き続けています。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展