みわはるき展《唇》の展示風景です。
大きな、大きな唇ですね。
赤い唇と黄色い唇。
どちらも肉感的で、生命力の溢れた(?)唇です。
この画像は画廊入口から見て、正面の壁面と左側壁面です。
左が「あか」でF80号、中央の小品はF0号、右は「きいろ」でF80号です。
正面の壁面と右側の壁面です。 「きいろ」の右は「藤」でF80号。 その右の小品はF0号です。 |
入口横右の壁面です。 左はF0号の小品、右は「オレンジ」でF80号です。 この他、入口横左の壁面に一点、道路側ウィンドウに二点、芳名帳スペースに二点の小品が展示されています。 以上展示作品は十二点で、すべてキャンバスにアクリル絵具を使用しています。 |
唇を画面一杯に描いた作品というとマン・レイを思い出しますが、みわさんの作品はそれとは随分違います。
マン・レイが「エロチック」だとすると、みわさんは「エッチ」です。
語源は同じかもしれませんが、二つの言葉の語感は大分違いますね。
みわさんの方が、つまり「エッチ」の方が生命力が漲(みなぎ)っている感じです。
このモチーフは前回個展からで、そのときは途中から唇を意識したそうです。
描き始めは、「わけのわからないモノ」の形だったそうです。
自分でも定かではない「わけのわからないモノ」だったようです。
「オレンジ」のアップです。
展覧会のタイトルが「唇」で、この絵のタイトルは「オレンジ」。
当然、鑑賞者はオレンジの唇を描いた絵として観ます。
でももし、これが「わけのわからないモノ」を描いた絵としたらどうでしょうか。
頭の中で結ばれた唇の像を一回ブレイクして、改めて観たらどうでしょうか。
個人的にはそういう倒立した観点の方が面白いと思いますし、作品の内側に入っていけそうな気がします。
(「唇」というタイトルは、作品へのアプローチとしてのみわさんのサービス精神かもしれませんから。)
ところで、みわさんの絵は「知性」をテーマにしています。
(これは御本人の言葉ではなく、わたしの勝手な推測です。)
もう少し限定すると、西洋知性です。
絵画という西洋知性の在り方に対する根源的なアプローチです。
「エッチ」+「知性」。
この一見矛盾するようなテーマで矛盾していないのが、みわさんの絵画です。
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左側と正面の壁面の間に展示された小品です。 地に銀(色)を使っているのがお分りでしょうか。 大作にも銀は使われていますが、この小品の銀は印象的です。 前回には見られなかった色合いの変化です。 (この作品も、唇ではなくて「わけのわからないモノ」として観たら、違った絵に見えるかもしれません。) |
御高覧よろしくお願いいたします。
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