みわはるき展の展示風景です。
|
画廊入口から見て、正面の壁面です。 タイトル「くちびる 2 no.2」で、 作品サイズはF150号です。 |
|
入口横右の壁面です。 左から、「くちびる 2 no.6」で、F3号。 「くちびる 2 no.3」で、S3号。 「くちびる 2 no.4」で、S3号。 「くちびる 2 no.5」で、F3号。 |
|
左側の壁面です。 「くちびる 2 no.1」で、F150号です。 |
以上六点が画廊内の展示作品で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに二点の小品展示があります。
作品はすべて綿布にアクリル絵具を使用しています。
みわさんの《くちびる》をタイトルにした個展は前年に続いて二回目です。
前々年にも同じモチーフの作品を発表していますから、《くちびる》を拝見するのは三年連続になります。
毎回印象が変化していて、今回はアッサリ、あるいはサラッとした感じを受けます。
もちろんそれは相対的な印象で、「押さえた力」(とでも形容したいものが)が画面の内側に存在しています。
それでは、作品を左側壁面から順にご覧いただきます。
真正面からモチーフを描いています。
みわさんらしい色使いですが、前述したように彩度が落ちてアッサリした印象です。
(それでも、初めて観た人には相当なインパクトがあると思います。)
正面壁面の大作です。
背景が有彩色と無彩色で二分されていますが、これはみわさんの手法です。
次は、入口横右の小品を二点づつご覧いただきます。
左側の二点です。
背景色とモチーフの線の色の組み合せ、モチーフの造形の変化が面白い連作です。
右側の二点です。
この四点、背景色の部分がイエロー系で共通しています。
展覧会のサブタイトルが《くちびる2》で、モチーフがくちびるのような形状ですから、誰しもくちびるを描いた作品と思います。
しかしみわさん自身は、このシリーズの当初、くちびるを描こうと思ったわけではないそうです。
途中から意識はしたそうですが、今でもみわさんはくちびるの形状を借りた絵を描いているとわたしは想像します。
今回作品を拝見していて興味を持ったのは、二分された背景と内側(くちびるの部分)の対比です。
特に、内側の部分。
この部分を一つの世界、小宇宙としてみると絵の見え方がまったく変わってきます。
正面壁面の作品の内側の部分です。
線と色に、運動と調和があります。
絵画は基本的に線と面、形と色の組み合せで成り立っています。
しかし、その組み合せは無限です。
その無限さに、時には作家は困惑し、時には光を見いだします。
左側壁面の作品の内側の部分です。
面と線、形と色のせめぎ合いが、即興のようでいて計算もされている。
画面に近づいて内側の部分を子細に見たり、中間距離から分断された部分の世界を眺める。
そして、画面を一望できるまで引いて観る。
《くちびる》という形状を借りた絵画は、それぞれで観る者の目を楽しませてくれます。
ご高覧よろしくおねがいいたします。
2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展