藍 画 廊



みわはるき展
《唇VII》
MIWA Haruki


みわはるき展の展示風景です。



画廊入口から見て、左側と正面の壁面です。
左から、作品タイトル「kuchibiru VII no. 6」で、作品サイズ1121(W)×1455(H)mm (F80)、「kuchibiru VII no. 3」で1121×1455 (F80)、「kuchibiru VII no. 17」で139×179 (F0)、「kuchibiru VII no. 1」で1121×1455 (F80)です。



正面と右側の壁面です。
左から、「kuchibiru VII no. 2」で1121×1455 (F80)、「kuchibiru VII no. 4」で1121×1455 (F80)、「kuchibiru VII no. 8」で1121×1455 (F80)、「kuchibiru VII no.16」で139×179 (F0)、「kuchibiru VII no.11」で139×179 (F0)です。



入口横の壁面です。
「kuchibiru VII no. 5」で1121×1455 (F80)、「kuchibiru VII no. 15」で139×179 (F0)です。

以上の14点が展示室の展示で、その他小展示室に3点、事務室壁面に3点の展示があります。
作品はすべて、綿布もしくは水性キャンバスにアクリル絵具を使用しています。



左壁面の「kuchibiru VII no. 6」です。
みわさんの唇シリーズも7回目ですが、徐々に唇の形から離れています。
上の作品なども、タイトルを見なければ唇に見えません。
(元々が、唇をモチーフに描いているわけでもありませんでした。)
輪郭の中を走っている鮮やかな色に、ご注目下さい。



次は小品(F0)を連続でご覧いただきます。
左は左壁面の「kuchibiru VII no. 17」で、右は右壁面の「kuchibiru VII no.16」です。



左は左壁面の「kuchibiru VII no.11」で、右は入口横壁面の「kuchibiru VII no. 15」です。
いずれの小品も、唇の形から離れて、色の描線が自由に躍動しています。



正面壁面の「kuchibiru VII no. 1」です。
左上部のグラデーションが、みわさんとしては珍しい技法です。
中央上部の薄青緑に対応した、上部の黄と下部の紫の塗り(ペイント)。
塗り残した中央下部が、ポイントでしょうか。



最後は入口横壁面の「kuchibiru VII no. 5」です。
展示作品の形が唇から離れると同時に、画面の色合いが白っぽくなっています。
この作品の中心部も、塗りがほとんど為されていません。
唇(のような)形も中途半端なところで画面から切れています。
一般的な西洋絵画とは異なった次元から作品を見ると、みわさんの作品の秘密が表れてきます。


みわさんに作品についてお伺いしました。
興味深かったのは、みわさんが江戸時代の浮世絵に強く関心を持っていたことです。
その遠近法や構図の独自性に魅かれて、作品に取り入れているそうです。
もちろん自分の方法に消化されているので、一目では気が付きません。
しかし、そう思って見ると、大胆な構図や平面性の意味が分ります。

なぜそのような方法論を取るかといえば、やはり絵画の本質に固執しているからです。
絵画という表現は西洋だけの形式ではありません。
文字のない文化はあっても、絵のない文化は存在しないと思います。
それぞれに絵の特質があって、表現の形式は異なります。

しかしその多様の中にも、絵、絵画の本質はあると思います。
みわさんの立ち位置は西洋絵画ですから、それを成立させている枠組みは崩していません。
問題は、絵が、絵画が今日まで続いてきたその構造です。
それは絵画の本質と同義で、それこそがみわさんが追い求めているもので、描き続けているものです。

みわさんの展覧会には、みわさんのパフォーマンスが恒例になりつつあります。
今回も展覧会初日にありました。
剣道で鍛えた身体は、長時間(45分ほど)の動きでも、身体の軸がブレません。
息も上がらず、最後まで動きに滞りがありませんでした。

そのパフォーマンスを見ていると、みわさんの絵画のドロー(描線)とそっくりです。
わたしはみわさんのドローが好きで、いつも画面に近づいて見ています。
特に、今回ご多く覧いただいた小品の動きに良く似ています。
そう、みわさんの絵画の最大の特質は、その動きではないかと思っています。

ご高覧よろしくお願いいたします。

みわはるきパフォーマンス EXTRA PAGE(6/29)

パフォーマンス
6月29日 7:30〜
7月11日 15:30〜

2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展



会期

2009年6月29日(月)-7月11日(土)

日曜休廊

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内