藍 画 廊



みわはるき展
《唇 IX》
MIWA Haruki


みわはるき展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
タイトル「kuchibiru IX no.1」で、サイズ1121(H)×1455(W)mm (F80)です。
(展示室の作品のサイズはすべて同じです。)



正面の壁面です。
アッと驚く床置きの平面で、しかも右端の作品は事務室に入り込んでいます。
賛否両論が出そうな展示ですが、わたしは肯定派です。
左から「kuchibiru IX no.2」、「kuchibiru IX no.3」、「kuchibiru IX no.4」です。



右側の壁面です。
左から「kuchibiru IX no.5」、「「kuchibiru IX no.6」、「「kuchibiru IX no.7」です。
以上7点が展示室の展示です。



小展示室の展示です。
8点の小品が展示されています。
その他事務室壁面にも1点の展示があります。
(このページトップの小画像です。)
作品は小品を含めて、すべて綿布にアクリルです。



左壁面の「kuchibiru IX no.1」です。
みわさんの唇シリーズも今回で9回目。
唇の形も崩れてきて、風景画のようにも見えます。
この作品は、色、形とも他の作品と異なる感触を受けます。



さて、床置きの正面の3点ですが、前述したように賛否両論です。
わたしは斬新な感じで、みわさんらしい展示と思いました。
(今回に限らず、みわさんは展示に工夫を凝らす作家です。)
藍画廊のスクエアな空間を逆手に取った、面白い試みと思います。
上は左端の「kuchibiru IX no.2」です。



中央の「kuchibiru IX no.3」です。
この展示で驚いたのは、床置きだけではありません。
この3点が連作でないことです。
つまり、別々に描かれた作品なのです。
たまたま繋いでみたら線が連続したそうで、この展示になったようです。



事務室に片足(?)が入り込んでしまった右端の「kuchibiru IX no.4」。
トリミングできないのでこのような画像になりました。
しかし前代未聞の展示で、面白いですね。



右壁面の「kuchibiru IX no.5」、「kuchibiru IX no.6」、「kuchibiru IX no.7」 です。
会場の展示と同じように繋げてみました
これも線が連続していますが、連作ではありません。
会場での展示は壁面の中央ではなく、壁面の右端に端を合わせて展示されていますが、これもみわさん流の展示といえるかもしれません。



今わたしは、みわさんの過去の唇シリーズを、iGalleryに載っている記録でブラウズしてみました。
そしてその変貌にいささか驚きました。
初期の、彩度が高く、濃い色合いと、大胆な筆致と、溢れるような生命力。
動的な画面です。

では、みわはるきさんは衰えたのか。
ノンノン、それは違います。
前回からの変化は、より深く、より広く、より自由な世界を描くようになったと思います。
ある意味で、力を抜くことによって、世界を拡げ、見る者を包み込むような品を獲得したのです。

みわさんの作品は、初期に顕著のように生命力に満ちています。
言葉を換えると、エロティシズムを主調にした絵画です。
その質が前回辺りから変わって来て、特に今回、何とも形容しがたいエロティシズムが漂っています。
品がよいけれども、深度と懐の深いエロティシズム。
心地良いけれど、ただ単にそれだけに終わっていない、生命やコミュニケーション深く関わった表現。
失礼を承知で言えば、積み重ねと、やはり年齢の為せる技でしょうね。

もともと唇シリーズは、唇をモチーフにしたものではありません。
たまたま描いたものが唇に似ていたので、それを逆手に取って、絵画への入口として唇をサブタイトルに掲げました。
(異説もありますが、わたしは上の説を採ります。)
今や、サブタイトルに唇と掲げられていても、見る者はそこから解き放たれています。
風景として見ても良し、抽象画としてみても良し。
どういう見方も許される自由度が画面にあります。

ただ、これだけは付け加えておきたいことがあります。
絵画という形式に対する、みわさんの態度です。
それは展示が正統であろうと変則であろうと、関係ありません。
絵画とは何か。
絵画とは何を表せるものなのか。
その真摯な姿勢が、みわさんの作品に一本筋を通しています。

ご高覧よろしくお願い致します。



みわはるきパフォーマンス EXTRA PAGE(6/27)

パフォーマンス
6月27日 17:30〜
7月9日 15:30〜

2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展


会期

2011年6月27日(月)ー7月9日(土)

日曜休廊

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内