iGallery DC



若宮綾子展
WAKAMIYA Ayako


若宮綾子展の展示風景です。



画廊入口から見て左側から壁面別に作品をご覧下さい。



入口横左の壁面です。



左の壁面です。



正面の壁面です。



正面壁面裏のミニキッチンの壁面です。



右側の壁面です。



カウンター上の小品群です。

以上の16点で若宮綾子展は構成されています。
それでは作品を一点づつご紹介致します。



入口左横壁面の作品です。
タイトル「untitled」(以下すべての作品タイトルが同様)で、作品サイズ24(H)×26(W)×11(D)cm、スタイロフォーム・布・粘土を使用。



左壁面、サイズ100×95×13cmで、スタイロフォーム・布・粘土を使用。



同じく左壁面、サイズ145×13×16cmで、布・粘土を使用。



正面壁面、上は10×75×55cm、下は18×21×8cmで、共にスタイロフォーム・布・粘土を使用。



同じく正面壁面、サイズ27×7×13cmで、スタイロフォーム・布・粘土を使用。



正面壁面裏、サイズ35×8×14cmで、スタイロフォーム・布・粘土を使用。



右壁面、サイズ6×4×2.5cmで、布・粘土を使用。



同じく右壁面、サイズ100×5×10cmで、布・粘土を使用。
続いて、カウンター上の小品群です。




上段左サイズ10×8×1cm、右2×2×1cm、中段左4×3×2cm、右3×5×2cm、下段左4×4×2cm、右3×4×2cmで、すべてスタイロフォーム・布・粘土を使用。
一番下の作品は5×16×2cmで布・粘土を使用しています。


ギャラリーには16点という多くの作品が出品されています。
しかしその少なからずが小品で、しかもカウンターの上に展示されています。
メインの壁面には傘のような大きな作品を除けば、さほど大きな作品はありません。
そうなると目立ってくるのは白い壁面ですが、作品の配置、形態、色彩と壁面のバランスは絶妙です。

一つ一つの作品は自立して存在を示していますが、壁面を白い紙に喩えれば、これは大きなドローイングの作品です。
インスタレーションという形式を借りたドローイングで、その美しい構成が、若宮作品の特色といえます。
足し算ではなく引き算で構成されたドローイングには、一切の無駄がなく、豊かな遊びに溢れています。

作品の構造に少し触れてみます。
スタイロフォームは発泡スチロールと同様のマテリアルで、断熱材などに使われています。
まずスタイロフォームでカタチを作り、粘土で補正していきます。
(芯の針金と粘土だけでカタチを作る、細長い作品もあります。)
その上にシフォンジョーゼットという、スカーフなどで使われる布を張り付けます。
この布を重ねると、玉虫色のように、見る角度によって色が異なって見えます。
又この布は、発光しているかのような鮮やかな色味を持っています。
そして今回は、下地の部分にエアブラシを用いてグラデーションが作られています。
以上のような構造によって、作品は独特のカタチと色を獲得し、空間を変容させています。

以前から、若宮さんの作品には身体性が色濃く漂っていました。
自身がパフォーマーであることもあり、身体と作品は切り離せないものでした。
近年は身体の中でも骨格、骨に興味が移っています。
そう、人の身体を支える基本的な枠組みに、作品の概念を置くようになっています。
以下に、本展に寄せた「うつわ」という若宮さんのテキストがありますので、転載いたします。

うつわ
 
魚類から陸に上がり、四足から二足歩行に変化して行った人体。
人類の長い長い営みの変化が刻み込まれた人骨という形に、興味を持ち始めて数年がたちました。
特に人体の骨の中で骨盤という部位は、二足歩行故の特徴が表れる形をしているようです。
2本の足を自由に動かし、重い内蔵を支える【うつわ】の様な役割をしています。
 ある日、【うつわ】を作ってみたいと強く思ったのは、3月に起きたあの大きな出来事の直後でした。
華やかな街の明かりは力を失い、次から次へと来る急行電車は姿を消し、突然現れた街の静けさは、人々の不安と動揺を表しているかの様でした。
 人は想像も出来ない程のアクシデントに遭遇した時、それを受け入れられない自分がいるものです。
今にも自身が壊れてしまいそうな不安を、淡々と受け入れていく【人々が持つうつわ】の逞しさ。
逞しいとは優しく美しいこと。
 美しい形とは、大自然の歴史の畝りから、足下に落ちている小さな日常に至るすべてを受け入れ、そして支える『どこか頼りないが逞しいうつわ』なのではないでしょうか。   
                                               
若宮 綾子


ギャラリーは前述したように、作品と白い壁面が絶妙なバランスで保たれています。
その中でも中心になっているのは、左壁面の斜めに吊るされた大きな円形の作品です。
この赤系の色を持った作品も骨盤をモチーフに作られています。
そして、この大きなドローイングの骨盤でもあるように思えます。
それは確かに『どこか頼りないが逞しいうつわ』で、優しく美しく、全体を受け入れています。

本展の初日にはデュオパフォーマンスとして、若宮綾子さんとリナ・リッチさんのパフォーマンスが行われました。
そのスナップとギャラリー内の作品を大きなドローイングとして捉えて、気侭に撮影した画像をEXTRA PAGEとして掲載いたします。

若宮綾子展 EXTRA PAGE

若宮綾子経歴

2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2010年iGallery DC『DC1』
2010年藍画廊個展

プライスリスト

作品の価格は2012年10月まで有効です。
作品を購入後希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
(作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。)
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)



iGallery DC  若宮綾子展

会期:2011年10月9日(日)〜11月6日(日) 
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜19:00


会場アクセスと展覧会スケジュール