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藍 画 廊


若宮綾子展


本展の作家と、作品です。
展示作品は全部で八点です。
サイズは71×71cmから22×22cmまで、作品によって異なります。
カタチはほぼ正方形です。



作品は平面ですが、いわゆる「絵画」ではありません。
パネルにジョーゼット・シフォンを張ったものです。
ジョーゼット・シフォンは、スカーフなどに使われている伸縮性のある薄い半透明の布です。
その布が30枚ほど重ねてあります。

使われているジョーゼット・シフォンの色は7色です。
(赤や青のビビッドな色もあるそうです。)
絵画で絵具を塗り重ねて色を作っていくように、布を重ねて色を作っていく手法です。



ジョーゼット・シフォンを重ねてできた作品は、独特の質感があります。
緊張感を伴いながらも、軽やかで、優雅な表情をもっています。
パネルの厚みも布で覆われ、クッションのような形状になっています。
カタチは前述したようにほぼ正方形ですが、歪みを意図的にもたせています。
上の正面の作品をご覧になるとお分りになると思います。



会場入口に掲示された若宮さんのコメントをご紹介します。

作品について

人とコミュニケーションをとる上で
(相互が認識するときに生じる微妙なずれ)
自分の存在の在りかを探すために
(絵具を何層にも塗り重ねた画面)の上に、
小さく不安定な形を置くことで表そう
してきました。

私にとって作品を作り、発表するとい
うことは、自分の存在を明らかにする手段です。

今回はその
(ずれ)を画面を歪ませることで
表し、
(塗り重ねた絵の具の層)を薄い布を何
枚も張り重ねることで、試みてみました。

若宮綾子

(改行、書体色は原文のママです。)


前回までの、小さな不安定な形がなくなったことは大きな変化です。
世界に対する微かな恐れが、観る人を包み込むような優しさに変換されたからです。
会場に漂う、穏やでポジティブな空気。
端正な正方形が僅かに歪んだ気持ち良さ。

この空間は、会場で是非体感していただきたく思います。
ご高覧よろしくお願いいたします。


会期

2001年10月1日(月)-6日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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