高馬浩展
KOMA Hiroshi
高馬浩展の展示風景です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、作品タイトル「gather」で、作品サイズ1000(H)×1000(W)mm(S40)、「blanket」で909×652 (P30)です。
正面の壁面です。
「森へ」で、909×652 (P100)です。
右と入口横の壁面です。
左から「何かがやってくる」で、1621×1121(P100) 、「curtain」で909×652 (P30)です。
以上の五点が展示室の展示で、その他小展示室に三点、事務室壁面に一点の展示があります。
作品は、平面はキャンバスに油彩、立体は大理石を使用しています。
左壁面の「gather」です。
gatherとは、布を縫い縮めて寄せるひだのことです。
本展の作品名は、そのタイトルのモノをモチーフに描いたものと、特にモチーフがなくて、後でタイトルを付けたものがあります。
どれがどれであるか分りませんが、分らなくても一向に構いません。
モチーフはきっかけであって、要は、それを写し取ることに主眼がないからです。
同じく左壁面の「blanket」です。
blanketは毛布のことです。
高馬さんは布の「状態」が好きなようです。
正面壁面の「森へ」です。
本展の作品画像をご覧になっている方は、何が描かれているか分かり難いと思います。
確かに画廊で見た方がディテールは分りますが、基本的にさほど違いはありません。
具体的な何かを描いているのではなくて、(たとえそうだとしても)、描いたものが本質だからです。
その描いたものは、実際の作品を見ることでしか分り得ません。
掲載した画像とは、それの単なる記録に過ぎません。
右壁面の「何かがやってくる」です。
展示作品の中では、この作品の画面が一番変化があります。
「何かがやってくる」ような、画面ですね。
しかし高馬さんの展示は、いつも以上に美しい展示です。
空間への意識は強いとは思いますが、インスタレーション作品ではありません。
それなのに、見事に空間が作られています。
それも自然で、優しく。
入口横右壁面の「curtain」です。
curtainは、あのカーテンです。
やはり、布の「状態」です。
小展示室の展示風景です。
左から、「ハル」で909×652 (P30)、「gray」で409×318 (F6) 。
台上の小さな立体はで95×98×38です。
小立体の「( petal )」です。
petal とは花びら、花弁のことです。
一番上の小さな画像は事務室壁面の「drape B」(409×273)ですから、展示全作品をご覧いただいたことになります。
大サービス(?)ですが、前にも書きましたように、実際に作品を見ていただかないと、作品の本質が分りません。
もしご興味がありましたら、是非画廊に足を運んでいただきたく存じます。
しかし、気持ちの良い空間です。
わたしの住居にこんな部屋があったら、何と幸せなことでしょうか。
そう思わせる、作品であり、空間です。
作品は一点を除いて絵画ですが、何かを描こうとしている絵画ではありません。
でもこれは絵画であって、絵画以外の何者でもありません。
高馬さんの言葉では、作品は「絵画の醍醐味」だそうです。
わたしもまったくそう思います。
絵画とは布や紙に絵具で何かが描かれているものですが、それは単なる形式の話に過ぎません。
内容は多種多様で、いまだに「絵画とは何か」が問われているものです。
絵画の可能性という言葉も、まだ現役です。
そのように、絵画とはしぶとく生き残っている表現なのです。
画布の上に絵具を塗って、ある状態を作り出す。
高馬さんの絵画を一言で言い表せば、その様になります。
問題は描かれているモノではなくて、描かれている状態です。
それは絵画の異端ではなくて、それこそ絵画の醍醐味です。
イメージやイリュージョンではなく、絵具や筆が作り出す状態。
画布や絵具という物質が、物質でありながら物質以上の状態を作り出す。
これを絵画の醍醐味と言わずして、なんと言ったら良いのでしょうか。
絵画がそうであれば、小さな一点の立体も、彫刻の醍醐味です。
大理石は何かを表しているわけではなくて、その状態が、作品です。
では絵画と彫刻はどんな状態を作り出しているのか。
それは・・・・、ご覧になった貴方が感じて下さい。
それは難しいことでも何でもなくて、作品に<会えば>解ります。
寡黙な作品ですが、これ以上に感性を刺激する作品も少ないからです。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2000年藍画廊個展
2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
「美」と「術」2003
会期
2009年8月31日(月)-9月12日(土)
日曜休廊
11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)
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