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藍画廊


高馬 浩 展


高馬浩展は平面四点、立体七点で構成されています。
平面は油彩、立体は木(松、桧)の小さな作品です。
立体の六点は床置き、一点は棚の上に置かれています。
平面と立体がさりげなく展示された空間は、一つ一つの作品が持つ肌触りと同質です。
左の写真は画廊入口から見たショットです。
油彩の作品が一点ひっそりと掛けられています。
床にはバランスよく六点の立体が置かれています。
特に強い主張をするでもなく、あたかも最初からそこにあったような風情でありながら、その作品群はしっかりと存在しています。


作品の持つ肌触りについて、高馬くんに訊いてみました。
作品には、高馬くんの「原器」ともいえる状態が表現されているそうです。
「原器」は「普通」という言葉に置き換えてもいいと思います。
「普通」と言う言葉は良い意味にも悪い意味にも使われます。
ここではもちろん良い意味です。
「気」が最も安定した穏やかさと緊張感が両立した状態、そういった「普通」です。
全てが運動していながら調和のとれている状態。
この「普通」は「豊か」でもあります。
そんな「普通」が個々の作品と展示空間に存在しています。



左は油彩作品(45cm×45cm)。
ぼんやりした風景画にも見えますが、モデルはなく、部分的に風景が引用されています。
右は木の立体。
木地に黒く刻まれているのは燃えた跡です。
グラインダーで木を刻むと摩擦熱で燃え煙りが出るそうです。
木にグラインダーでペインティングしたとも言えそうです。

画廊入口から見て左側の床に置かれた木の作品。
各作品の表情の違いも楽しめます。
油彩同様風景が部分で引用されています。


上の油彩作品の対面にある、小さな油彩作品三点(各14cm×14cm)。


高馬くんの立体作品、平面作品に顕されているのは同じ「普通」とでも呼べる状態です。
といっても、高馬くんは表現形式の違いを軽視している訳ではなく、逆にそこに拘(こだわ)っている、とわたしは思います。
そこが、本展の面白さの一つです。
御高覧宜しくお願いいたします。


会期

2000年 9月4日(月)-9月16日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内


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