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藍 画 廊


高馬浩展


上の小さな画像は高馬浩展の展示風景です。
この画像だけですと平面の展覧会に見えますね。



ご覧の通り、実際は床に立体作品がありますので、平面と立体の展覧会です。
前回前々回と同じく平面と立体を同列に展示する、高馬さんの表現方法です。
平面の点数が以前より多いせいか平面の充実振りに眼がいってしまいますが、あくまでも両者の関係は同列です。
どちらが主ということもなければ、どちらが従ということもありません。

上の平面のサイズはF30号で、キャンバスに油彩です。
(平面はすべてキャンバスに油彩です。)
立体の三点は手前から、
18(H)×28(W)×22(D)cm、
10(H)×15(W)×11(D)cm、
23(H)×40(W)×26(D)cm。

素材は桂です。
木をグラインダーで刻むと、そこに摩擦熱がおきて燃えます。
燃えたところは黒くなり、それが模様として残ります。
グラインダーでペイントする高馬さん独自の手法です。



画廊入口から見て左側壁面です。
平面が三点、整然と展示されています。
サイズは三点ともF8号です。


こちらは右側壁面(事務所裏)。
二点ともF3号です。
色相が他の平面とは違います。
ほとんどモノトーンで、色面にも見える作品です。
展示空間の中で、良い意味でのアクセントになっています。

この他、道路側ウィンドウと芳名帳上に平面が各一点展示されています。


いつにもまして端正な高馬さんの作品と作品空間を観ていると、「西洋美術」という言葉が頭に浮かびます。
「絵画」と「彫刻」という言葉も頭に浮かびます。
それは自分の表現の原初的立脚点の凝視かもしれません。
あるいは「忘れた物」への警告かもしれません。
高馬さんの作品を観ていると、そこにはある種の懐かしさがあります。
それが「忘れた物」なのでしょうか。

ここで高馬さんの平面と立体を比べてみます。
パラレルな表現手段の謎です。


正面壁面の平面です。
「絵画」ですね。
「絵画」らしい「絵画」です。
でも、「絵画」の引用ではありません。

雲、あるいは煙が立ち上っているように見えます。
色相も古典的です。
ここにあるのは物語ではなくて、現象ではないでしょうか。
何かが始まる、何かが運動している、そういった現象に見えます。


立体の一番大きな作品です。

同じですね。
表現内容は同じです。
でも、違います。
塊(かたまり)です。
彫って刻んだ塊です。

としたら、平面と立体の展覧会ではなくて、絵画と彫刻の展覧会と言い直さなくてはならないのかもしれません。


ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2002年9月2日(月)-14日(土)

日曜休廊

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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