高馬浩展の展示風景です。
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画廊入口から見て、正面と右側壁面です。 左から、 タイトル「surface,view 1」でF20号。 「surface,view 2」でF20号。 「surface,view 6」でF6号です。 |
入口横右の壁面です。 |
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左側壁面です。 「surface,view 7」で、F60号です。 この他、道路側ウィンドウに平面が一点、芳名帳スペースに平面と立体が各一点展示されています。 平面作品はすべてキャンバスに油彩、立体作品はアユースを使用しています。 |
高馬さんの近年の展示を振り返ってみると、平面の割合が増え、画面や彫りの動きが穏やかになっています。
又、平面においては色彩が顕在化してきました。
しかしながら、作品の内実に大きな変化はありません。
表現は一貫しており、その深度は着実に深くなっています。
左壁面の作品です。
タイトルのsurfaceは表面、外面、水面の意で、viewは見ること、眺めること、景色の意です。
又 ,viewの原義はラテン語で「見る」です。
正面壁面の二点です。
高馬さんが「見る」のは世界の外面ですが、「見る」はすなわち「描く」になります。
逆に表現すれば、「描く」ことが「見る」ことになっています。
何処かにある何かの景を描くのではなくて、描くことで景が出現します。
景はこの画面の中にしか存在せず、仮象としの景ではありません。
景を成り立たせているキャンバスや油彩は固有の物質ですが、それ以上でもなくそれ以下でもありません。
重要なのは、景そのものがそこに存在していることです。
抽象的な言い回しで分かり難いかと思いますが、(平面という形式を使用した)景そのものがそこにあるということです。
わたしが観ているのは、景が描かれた平面の作品というよりは、景をそのものを観ていることになります。
その景の、色彩と動きの美しさは何ともいえません。
右壁面の作品です。
何かを主張するのではなく、何かが存在している作品です。
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アユース(柔らかい材質の木材)を使用した立体作品です。
ここにあるのも、景そのものです。
平面と立体という形式の違いはあるものの、存在しているのは景の状態です。
平面の中に混じった小さな二つの立体は、形式は(重要ではあるが)形式でしかなく、問題は景そのものの出現であることを物語っています。
是非画廊で直に景をご覧いただきたく思います。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2000年藍画廊個展
2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
「美」と「術」2003