康世展
カプセル (お話ししましょう)
YASUYO
康世展の展示風景です。
以上の3つの塊で1点のインスタレーション作品が構成されています。
タイトルは「カプセル(お話ししましょう)」(自分が着た服、ダクト)でサイズ可変です。
インスタレーションを構成している3つの塊をご覧下さい。
作品の部分です。
〈作家コメント〉
昔着ていた服に ぎよっとした
ずっと じっと こちらを見ている
お話ししましょう
康世さんの「カプセルシリーズ」は今回で4回目です。
金属のダクトに自分の古着を絡ませるインスタレーションですが、今回は支持体(?)のダクトがほとんど見えません。
古着の量も減って、三つの塊だけになっています。
上記の説明と矛盾しますが、わたしにはこの展示はインスタレーションというより、3つの彫刻作品に見えます。
古着という柔らかい可塑性のある素材による、ソフト・スカルプチュア(柔らかな彫刻、立体)と言っても良いのではないでしょうか。
先駆者のクレス・オルデンバーグやクリスト、ボイス、そして草間彌生にも通じるソフトで可塑で刹那的な感触を持つ作品です。
さてそうやって康世さんの作品を眺めれば、何やら古着でうずくまった人体のようなものを想像します。
この塊にはモチーフがあって、それぞれ目、耳、口だそうです。
それに向かって、康世さんが「お話ししましょう」と語りかけています。
古着とは、その人にとって過去です。
通常、過去の自分と対面するには写真を用います。
それを康世さんは古着でする。
なぜなら、それには匂いがあって、手触り、肌触りもあって、着心地の記憶も込められているからです。
つまり、身体的なのですね。
展示された古着は数十年にも及ぶので、遠い、若かりしころの康世さんがそこにいます。
脱皮するように脱ぎ捨てられた服たち。
うずくまって沈黙する服に声をかけ、そこで何が語られるのでしょうか。
もしかしたら、そこに現出した不思議な時間に触発されて、閉じ込められた(カプセル)何かが開放されるのでしょうか。
ご高覧よろしくお願い致します。2002年藍画廊個展
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会期
2021年9月6日(月)ー11日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)
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