北村康世展
カプセル
KITAMURA Yasuyo
北村康世展の展示風景です。
北村康世展は1点のインスタレーションで構成されています。
作品のタイトルは「カプセル」で、サイズは可変、素材はミクストメディアです。
〈作家コメント〉
前の時間の一片を いくつも集めて 私を包む
そうして希いを積んでいく。画廊のドアを開けると、そこは溢れるような古着の山です。
よく見ると、古着の支持体(?)は金属のダクトのようです。
アルミかトタンの工業用ダクトをまず設置して、そこに古着を絡ませ重ねています。
古着は北村さん自身が今までに着用していたもので、過去数十年ほど前からのものです。
一見すると大量生産、大量消費を批判している作品に見えますが、真意は他にあります。
それは古着との対話であり、その洋服と過ごした時間を見つめることです。
古着は下着もあれば、靴下もあり、Tシャツもあれば毛皮のコートもあります。
それらと過ごした時間は膨大であり、それは北村さんの個人的な歴史と重なります。
言わば、北村さんの自分史なのかもしれません。
ダクトを用いた作品は2003年から制作、発表しています。
今年で13年余りになります。
ジャンクなインスタレーションですが、一貫しているのは、そこに希望を表現していることです。
ダクトの触覚のような形。
その天に延びるような形状は、過去を糧にして未来を開くカタチと思えます。
閉塞感漂う現代に希望があるとしたら、過去を見つめることかもしれません。
過去の時間を大切にして、未来に生かすことかもしれません。
大量の古着は、そんなことを訴えているような気がします。
ご高覧よろしくお願いします。2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2014年藍画廊個展会期
2016年6月6日(月)ー10日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内