北村康世展
key
KITAMURA Yasuyo
北村康世展の展示風景です。
北村康世展は1点のインスタレーションで構成されています。
作品のタイトルは「key」で、サイズは可変、素材はミクストメディア(古着、ダクト=アルミ、トタンなど)です。
〈作家コメント〉
まえに着ていた服に落ち着かない
ここに私がギユッといる
キュ―と鳴(よ)んだ それからずっと
ずっと想っている
閉じこめたのはちゃんと会話(はなし)したいから
しっかり見詰めたいからはやく届くといいな
何本もの工業用ダクト(アルミ、トタン)に古着を巻き付けて接着したインスタレーション、北村さんが近年続けている作品シリーズです。
前回に比べると古着の数が減って、幾分スッキリした感じはします。
その分、表現の核が明確になっています。
作品の中に入って、作品に包まれていると、銀色のダクトが生き物に見えてきます。
ダクトは植物の茎のようで、光に向かって伸びていくように見えるのです。
ダクトに纏わりついている古着は養分の役目で、成長の糧です。
考えてみれば、古着(衣服)のもともとは植物の繊維ですから、見当違いの見立てではないでしょう。
古着には時間が詰まっています。
北村さんが何年にも、あるいは十数年に渡って着用した時間が染み込んでいます。
それをダクトが吸収(栄養に)して、未来に繋げていきます。
人の生と死もこのように循環して、死は生を育み、その生は時間をかけて朽ちていきます。
恐らく、北村さんは女性として、身体でこのことを実感しているように思えます。
なぜなら、作品は整然とした論理ではなく、身体の思考から生まれているように見えるからです。
そのダイナミズムが、作品の隅々に満ちているからです。
ご高覧よろしくお願いします。
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2016年藍画廊個展会期
2019年3月25日(月)ー30日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内