三輪美奈子展の展示風景です。
三輪美奈子展は以上の30本のアルミニウムによるインスタレーションです。
その他小展示室にも3本のアルミニウムが展示されています。
アルミニウムは棒状で、大が約2m、小が約1mの長さです。
展示の様子(部分)をご覧下さい。
〈作家コメント〉
和漢三才図会に曰く、蚯蚓は「雨ふるときは先ず出で、晴るれば夜鳴く。その鳴くこと長吟す。ゆえに歌女といふ」作家コメントにある蚯蚓とはミミズのことです。
ミミズは目がなく「目見えず」からミミズの名が付いたそうです。
蚯蚓は鳴くことはできませんが、秋の夜、土の中から蚯蚓の声が聞こてきそうな気配から、「蚯蚓鳴く(歌女鳴く)」は俳句の季語になっています。
画廊の床に自立している30本のアルミニウム、確かにミミズのようで、あたかもそれが歌っているように見えます。
身体をくねらせて、首をそらしたり、かがめたり、あるいはスクッと伸ばして、思い思いに歌っている。
見事な描写力です。
前回、前々回もアルミニウムの林立で、それは植物のように見えました。
それが身の丈を短くして、蚯蚓に変じ、しかも歌う女としてデビュー。
サイズは小さくなったが、作品世界のスケールは逆に大きくなりました。
30人の歌女(かじょ)の歌声、指揮者もいなければ、楽譜もない。
皆が皆、自分のスタイルで思う様(さま)歌っています。
何を歌っているかと聴けば、恋の歌もあれば、労働の歌もあり、季節の歌もありと多種多様です。
しかし歌声は、天に昇ると一つの合唱になっています。
生きとし生けるものに捧げる歌になっているような、気がしてしまいます。
アルミニウムの蚯蚓にカメラを向けて、歌女たちを切り取る。
すると、その一枚一枚が素敵なドローイングになります。
それは撮影者の技量ではなく、間違いなく美奈子さんの仕業です。
近くはクッキリ、遠くは霞んでボンヤリ、その遠近の濃淡が何ともいえません。
アルミニウムの質感を存分に活かしながらの妙味。
いやはや、「天晴れ」の一言です!
ご高覧よろしくお願いします。
藍画廊2002年個展
藍画廊2003年個展
藍画廊2006年個展
藍画廊2009年個展
藍画廊2011年個展
藍画廊2012年個展
藍画廊2014年個展
藍画廊2016年個展
藍画廊2018年個展会期
2020年3月16日(月)ー28日(土)
3月22日(日)休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
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