三輪美奈子展は十三点の平面、立体で構成されています。
平面が六点、立体が七点です。
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画廊入口からの展示風景。 左の平面はM200号の大作です。 キャンバスにアクリル絵具と水彩絵具を使用しています。 右側の立体は針金で制作され、着色にアクリル絵具を使用しています。 |
入口から見て左側の壁面。 平面は同じくM200号(キャンバス/アクリル、水彩)です。 床の立体も同じく針金にアクリル着色です。 左上にチラッと見えるのは、壁面に展示された針金の立体です。 壁面にも立体が展示されています。 |
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床の立体はこんな感じで置かれています。 針金の太さはマチマチで、太い針金もあれば、綿の様に見える細いものもあります。 作品の表情は針金の太さによってかなり異なります。 形は球形あるいは楕円形ですが、閉じておらず、必ず一ヶ所は開いています。 |
ご覧いただいてお分かりの通り、平面と立体が混在した空間になっています。
その境目は渾沌としていて、平面から立体が零れ落ちているようでもあり、立体が平面に入り込んでいるような印象も受けます。
インスタレーションとも違うのですが、画廊空間が一つの作品になっています。
その空間を感じることが、作品に触れる(鑑賞する)ことと同意になっています。
この写真は、一番上の会場写真に写っている壁面に取り付けられた立体越しに、右側壁面の平面(F100号)を撮ったものです。 針金にアクリル絵具で部分的に着色されている具合がお分かりでしょうか? |
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この他、芳名帳のある入口空間に平面の小品が二点、道路側ウィンドウに平面の小品が一点展示されています。
三輪さんは立体作家として長い間制作活動を続けてきました。
今回は初めてキャンバスを使用した平面に取り組んでいます。
(紙を使った平面は以前にも発表しています。)
この展覧会には「TOUTCH ME...」というタイトルが付けられています。
その意味について少し考えてみました。
平面に描かれた楕円の形、繭のような立体。
この一つ一つは、三輪さん自身ではないでしょうか。
女である、母である、一人の人間である三輪さん自身の外側と内側です。
その三輪さんの優しさや、怒りや、憧れや、喜びや、恐れや、焦がれが、一つ一つの形に現されています。
形は開放されていて、わたしが観たり触ったりすることを拒んでいません。
三輪さんは、「TOUTCH ME...」と呼びかけています。
空間を感じて、そして作品の内実に触れてくださいと。
おおらかにコミュニケーションする空間を、三輪さんは作りたかったと思います。
だから、「TOUTCH ME...」なのです。
この空間が心地よいのは、三輪さんが自分自身をさらけだしているからです。
構え(かまえ)が、ないからです。
だとしたら、わたしも(貴方も)構えを外して作品の中に入る必要がありますね。
そこで、形の一つにわたし自身を発見するかもしれませんから。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年2月11日(月)-2月23日(土)日曜休廊
11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内
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