藍 画 廊


三輪美奈子展
“庭”たわむれ
MIWA Minako


三輪美奈子展の展示風景です。



以上の1点(インスタレーション)が展示室の展示で、その他小展示室に4点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品のタイトルは『「庭」たわむれ』で、アルミニウムを使用しています。
展示の様子をご覧下さい。



〈作家コメント〉

まなざしの向かうところ、見えない気配を追いかけて
アルミ棒の表面を叩きます。
視線は送り送られ送り返され
次を誘います。追いかけっこ
あのうさぎはどこ?私が庭にしかけた「踏み外し」
あなたのうさぎは……?
∅12mm~∅6mm 3mのアルミ棒を床、壁に設置します。

あけましておめでとうございます。
藍画廊の新年は三輪美奈子さんの『「庭」たわむれ』です。
前回に引き続き、素材はアルミニウムの棒です。
これをひたすら叩いて形状を作り、画廊の床に設置したインスタレーションです。
3メートルのアルミ棒がニョキニョキ天井に向かって伸びたり、俯いたりしています。
植物の芽を連想させるアルミ棒ですが、「めでたい(芽出度い)」という言葉は「新しい春を迎え芽が出る」という意味があるそうです。
実に正月に相応しい作品です。

前回の作品と異なるのは、アルミ棒の径が太くなったことです。
その為か、全体に力強さが増した感があります。
しかし、ポジティブな作品ですね。
<生の様態>とでも形容したくなる、生きることの有様、その歓び、哀しみが表現されています。
しかもタイトル通り戯(たわむ)れも遊びもあって、美奈子さん、踊りまくっています。

画廊空間全体に描かれたドローイング。
それが三輪美奈子さんの作品です。
アルミの軟らかな質感を活かした、モノクロームのドローイングですが、表情はとても豊か。
オープニングで作家の高木修さんから、「アルミ棒の先端を触覚にして、空間を自由にたわむれている」との評がありました。
その通りですね。
これほどにのびのび空間で遊ぶドローイング、とても貴重です。
しかもスケールがあります。
失礼を承知で言えば、経験と年齢の為せる技です。

画廊の空気を一変させる。
これは易しいようで、難しい。
なぜ難しいかと言えば、目に見えない空気を変えるからです。
その為に、美奈子さんは女だてらにハンマーでアルミ棒を叩き続けた。
そして、画廊で並べ続けた。
その成果が空気(空間)の変容です。
空(なにもない、目に見えない)ものが変わる。
これこそ美術のマジックで、術なのです。
だから美術家は呪術師の末裔なのです。

ご高覧よろしくお願い致します。

作品配置図

藍画廊2002年個展
藍画廊2003年個展
藍画廊2006年個展
藍画廊2009年個展
藍画廊2011年個展
藍画廊2012年個展

藍画廊2014年個展
藍画廊2016年個展

会期

2018年1月8日(月)ー20日(土)
日曜休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内