中野由紀子展
「西向きの部屋、モノレール」
NAKANO Yukiko
中野由紀子展の展示風景です。
上から、画廊入口から見て左側壁面、正面壁面、右側壁面の展示です。
中野由紀子展は以上の12点で構成されています。
作品はキャンバスに油絵具を使用しています。
作品の詳細をご覧下さい。
画廊入口から見て、左壁面左の作品です。
左はタイトル「西向きの部屋(モンステラ)」でF10、
右は「モノレールから(大きな木)」でF10です。
左壁面右の作品です。
左は「西向きの部屋(花と夕方)」でF20、
中央は「モノレールから(ベランダと駅前の鳥)」でF4、
右は「西向きの部屋(花と雨)」でF10です。
正面壁面の作品です。
左は「西向きの部屋(椰子と遠くの山)」でF30、
右は「ベランダと蘇鉄、夕方」でF4です。
正面壁面、エアコン下の作品です。
「モノレールから(電線と木)」でF10です。
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右壁面左の作品です。
左は「モノレールから(ビルと影)」でF20、
中央は「西向きの部屋(フィカス)」でF20、
右は「西向きの部屋(南天と夕方」でF20です。
右壁面右の作品です。
「モノレールから(夕日と影)」でF4です。
<作家コメント>
モノレールにのって山の方をみていると、ときどき背の高いビルの間にはさまれてその景色だけ切りとったように見えるときがあります。
それは断片的な記憶として残っている夢の風景と家のベランダから見える景色と重なり、いま自分はどこにいるのかわからないような、そんな感覚を覚えます。
そしてそれをできるだけ楽しみながら絵が描けたらなと思っています。
中野さんの絵画は、コメントの通りモノレール,及びベランダから見た風景と夢の中の風景が混ざり合ったものがベースになっています。
それは本人にも特定できない風景なのですが、とてもリアルです。
このリアルの意味は高解像度で鮮明という意味ではありません。
日常の生の現実がリアルに描写されていていることを指します。わたしたちの日常に溢れているのは視覚情報=イメージです。
スマートフォンの、テレビの、パソコンのディスプレイに表示される画像です。
そんなイメージに囲まれて生活を送っていると言っても過言でもありません。
イメージは随時更新され、そのスピードも加速の一途です。
それが生活を追い立て、時間(月日)の経過を速くしている一因です。
他方、現実の手触りはなくなる一方で、日常は何の感触もなく流れていきます。
その不安は中野さんも覚えていて、作品に表現されているのは、リアルな現実への希求ではないかと想像します。
前述したリアルとはそのことで、現実とは何かという問いが作品の背後にはあると思います。中野さんの絵画には地と図が見受けられます。
地は明色の朧気な風景で、図は樹木や草花が黒い線で描かれています。
ただし図と地に奥行きはなく、同一平面で展開されています。
色彩でポイントになっているのは朱(赤)で、平面性の強い画面を引き締めています。画面には透視図法的な遠近がありません。
それは人間の二つの眼が常に動いて風景を見ていることと関係あります。
日常のイメージ(静止画/動画)の基になっている写真画像は一つの眼(レンズ)で、固定された状態で撮られています。
つまり通常の人間の視点とは異なる、変則的な見方です。
その仕組みは画家のデビッド・ホックニーが著書で再三指摘していて、自身の絵画はより自然な遠近法を使っています。
中野さんも同じく、東洋画の伝統に則った遠近で表し、陰影も線の描写を優先しています。
その技法で描く風景がリアルを感じさせ、ステロタイプな日常のイメージとは一線を画しています。
又、画面全体から受ける透明感も現実の新鮮な空間を強調しています。現実とは不確かなもので、記憶や夢も現実の一部を構成しています。
その不確かさを整理(クリアに)せず、自分の感覚に忠実に表したのが中野さんの絵画です。
それはある意味中野さん自身のリハビリテーションであり、見るわたしたちが現実を取り戻すきっかけになっています。
ともあれ、現実の風景とは何かを考えさせられる、刺激的な展示です。ご高覧よろしくお願い致します。
2015年藍画廊個展
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2016年藍画廊個展
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中野由紀子展
会期:2023年1月12日(木)〜1月29日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール