中野由紀子展
「あのときは散歩をしていた」
NAKANO Yukiko
中野由紀子展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の10点が展示室の展示で、その他小展示室に2点、事務室壁面に2点の展示があります。
作品はすべてキャンバスに油彩です。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面、左端の作品です。
タイトル「まくらとコンクリートブロック」でサイズ273×273mmです。
左壁面、中央、右端の作品です。
左は「雑草の生えた空き地」で1303×1940mm、
右は「ごみネットとタオル」で100×100mmです。
正面壁面、左端、右端です。
左は「金網と棕櫚とふとん」で273×273mm、
右は「ごみネットと蘇鉄、枯れた枝と少しの雨」で1949×1620mmです。
右壁面、左端、左から2番目です。
左は「ふとんとまくら」で410×410mm、
右は「遠くに山、まっすぐな植木(友達からの連絡)」で1303×1940mmです。
右壁面、左から3番目、右端の作品です。
左は「網とまくら」で100×100mm、
右は「雨と壁」で273×273mmです。
入口横壁面の作品です。
「風のつよい日」で1167×910mmです。〈作家コメント〉
今年のはじめ美術館からの帰り道に、どうせだから何駅分か散歩しようと思い風のつよい中を歩き回りました。
その時吹き飛ばされそうになっている木が印象に残ってました。
じわじわと変わってく今の状況から、3ヶ月前のあの日の散歩は本当の事だったのだろうかと遠くに感じられます。
ひとつずつをゆっくりと思い出したい、と考えながら制作しました。中野さんの作品といえば不定形の紙をベースにしたものが特徴でした。
前回からはキャンバスに油彩という、オーソドックスな絵画にシフトしています。
しかし描画のモチーフやテーマは一貫していて、いつもの中野さんのしなやかな感性に基づいています。
作品の制作を始めた頃はまだ新型コロナの感染が遠い出来事だったそうです。
その時はコメントにあるように、散歩で見た景色が主なモチーフでした。
その後、「スティ ホーム」で家に閉じ込められ、モチーフに室内のまくらやふとんが加わりました。
時間と空間が異なる事物が層(レイヤー)となって、遠近の交錯した画面が構成されています。
わたしたちの意識も、考えてみれば、時空の遠近が混じり合っています。
目の前の風景を見ながら、同時に過去の出来事や事物にも思いが飛びます。
そのトータルが現在の時間と空間を形作っている、と言えないこともありませんね。
だから何気ない風景にも奥深さが潜んでいるのです。
中野さんの描画の筆致にはグラフィティを思わせる即興性、及び東洋的、日本的な輪郭の使用があります。
伝統と現代性が絵画の中で不可分に表現されていて、そこに強い個性を感じます。
絵画空間に奥行きと平面性が同居していて、それが画面の二次元性を拡張しています。
色彩で言えば、赤がキーカラーになっていて、空間の独自を強調しています。
風が吹いている風景。
その風は記憶の風ですが、今も室内で吹いているように思えます。
その中で、中野さんは現在を感じ、そして風景を絵筆で考えています。
ご高覧よろしくお願い致します。
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
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2018年藍画廊個展
2019年藍画廊個展会期
2020年6月22日(月)ー27日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
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