中野由紀子展
「歩いて行けるところ、自転車で行けるところ、寝ていて行けるところ」
NAKANO Yukiko
中野由紀子展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
床面の展示です。
以上の10点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
壁面作品はすべてキャンバスに油彩で、床面作品は水彩紙にアクリル絵具を使用しています。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面、左端の作品です。
タイトル「歩いて行けるところ(温室) 」でサイズ1,300×1,620mmです。
左壁面、中央、右端です。
左は「寝ていて行けるところ(屋上と花) 」で410×318mm、
右は「自転車で行けるところ(向こうの川、夕方) 」で1,620×1,303mmです。
正面壁面、左端、右端の作品です。
左は「歩いて行けるところ」で1,300×1,620mm、
右は「自転車で行けるところ(遠くの山、夕方) 」で220×273mmです。
右壁面、左端の作品です。
「寝ていて行けるところ(屋上にプールと花) 」で1,620×1,303mmです。
右壁面、中央の作品です。
「自転車で行けるところ(土手、昼) 」で1,940×1,620mmです。
右壁面、右端の作品です。
「歩いて行けるところ(温室) 」で530×455mmです。
入口横壁面の作品です。
「寝ていて行けるところ(白い崖、たぶん青い池) 」で1,620×1,940mmです。
床面作品「寝ていて行けるところ」でサイズ可変です。
〈作家コメント〉
ちょっと前までよく書いていた夢のメモを、最近になって少しずつまた書くようになりました。
歩いて行けるところの風景、自転車で行けるところの風景、寝ていて行けるところの風景を、描きたいと思いました。
絵画は二次元の世界です。
現実はそれに奥行きがあり、時間も流れています。
中野さんの描くのは、概ね風景です。
つまり現実の空間をモチーフにしています。
さて、どうするか。
中野さんの絵画は、二次元であることを欠点とは考えていません。
絵画が二次元であるなら、そこに踏みとどまって空間を捉える方法を試行する。
無理に奥行きを創ることをせず、平らな地平にリアリティを表現する。
そして生まれた絵画には、多くの余白があり、透視図法的な遠近とは異なる事物の配置がされている。
それはまったくの発明というわけではなく、伝統的な東洋、日本の絵の今日的解釈とわたしは思います。
フレッシュだけど、土台はしっかりした絵画なのです。
今回は、徒歩の距離圏、自転車の距離圏、そして夢の距離圏の風景が描かれています。
近くて、遠くて、懐かしくて架空かもしれない風景です。
それらが余白を利用して、次元をまたぐ形で画面に現れています。
記憶の層がランダムに重なって、そこには絵画でしか表現できない空間が広がっています。
多層な風景を借りた、中野さん自身の生(LIVE)が表現されています。
面白いのは絵画が二次元でありながら飛び出した作品も展示されていることです。
そこにも(展示台という)余白があり、次元の交錯もあって、絵画的作法は健在です。
しかも絵には表と裏もあります。
四方からの鑑賞を可能にした、立体絵画の出現です。
これがギミックではなく、周囲の絵と違和感なく中野さんの世界になっているのは流石です。
ご高覧よろしくお願い致します。2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2019年藍画廊個展
2020年藍画廊個展
会期
2021年6月14日(月)ー19日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)
会場案内