風卵
Kaze no tamago
「よみ人しらず」
KUROSAWA Shinobu/ASAKAWA Yoh


風卵「よみ人しらず」の展示風景です。




各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

風卵展は以上の22点の作品(各種メディア)で構成されたインスタレーションの展示です。
作品は風卵舎(黒沢忍・浅川洋)による、短歌と美術のコラボレーションです。
作品の詳細をご覧下さい。











〈展覧会コメント〉
2007年、黒沢 忍と浅川 洋は風卵舎を結成。
短歌とアートのコラボレーション誌「風卵」の発行、風卵展企画など活動してきました。
そして今回は、風卵・10「マッチ箱短歌」!
私たちは、マッチ一本燃えつきる間に読む一首もあると考えます。

風卵舎は黒沢忍さんと浅川洋さんのユニットです。
もともと黒沢さんは短歌の歌人、浅川さんは現代美術の美術家でした。
その二人が運命の出会いをしたのは、さほど昔ではありません。
家が近かったのが縁で友情が芽生え、表現者として意気投合、2007年に短歌とアートを思考する風卵舎を結成しました。
二卵性双生児のような二人は、短歌は黒沢さんが浅川さんに、美術は浅川さんが黒沢さんに教示、メキメキ実力を上げて両人共に歌人であり、美術家でありのジャンル横断作家になっています。

今回の「よみ人しらず」も二人が短歌と美術を制作、及び合作していますが、古事記、宮沢賢治の詩の一節も引用されています。
展示はいくつかのテーマが交錯していますが、三面の壁に分布されているのは蘿藦(ガガイモ)の莢(さや)と種髪(しゅはつ)で、これは古事記の神話に由来しています。
この莢の舟に乗って少名毘古那(スクナビコナ)神が大国主大神の国作りに協力したそうです。
それを描いた黒沢さんの絵画があれば、その次には連歌発祥の地と言われる山梨の酒折に因んだ作品があったり、その間には浅川さんのライフワークともいえる植物のドローイングがあります。

ど真ん中には経文と化した短歌の竜巻もあって、随分とご利益がありそうですが、運試しの向きには真っ赤なガチャタンも。
このガチャタン、500円で楽しい意匠のマッチ箱が出てきて、中は「よみ人しらず」の短歌とマッチ棒一本。
高尚な短歌界にケンカを売るようなキッチュな仕掛けで、拍手喝采間違いなし!!
一人じゃできないが、二人揃えば敵なし、ユニットだからこその作品です。

何はともあれ、このスペースでは紹介できないほどの分量の作品で、詳細については会場でお確かめ下さい。
一つだけ感想を書かせていただければ、この二人の女性のユニットが(無意識に)ブチまけているパワーが展示の核ではないかということです。
それはジャンル横断といったスタイルのことではなく、男文化の旧弊な形式や秩序に対するカウンターであり、臨機応変なタッグの組み方で、これをコラボの一言で片付けるのは何とももったいない。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」はモハメド・アリですが、ステップ軽やかに小舟に乗って、歌って描いて、最後はガチャタンで大騒ぎ。
深刻ぶって気取って、それが文化だなんて、チャンチャラおかしい。
そんな二人の高笑いが聞こえてきそうな、美しくも賑やかな催しです。

ご高覧よろしくお願い致します。


プライスリスト1
プライスリスト2

浅川洋2011年iGallery DC個展
浅川洋2013年iGallery DC個展
浅川洋2015年iGallery DC個展
浅川洋2017年iGallery DC二人展
浅川洋2018年藍画廊個展



会期

2019年11月25日(月)ー30日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内