川口尚子展
KAWAGUCHI Naoko
川口尚子展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の1点のインスタレーションで川口尚子展は構成されています。
作品はすべて「新聞記事(10年間くらい)、色鉛筆、胡粉、色画用紙」を使用しています
作品の詳細をご覧下さい。
各壁面からランダムに選んでクローズアップした作品部分です。
ご覧の通り、新聞記事の切り抜きとドローイングでワンセットになっていて、それが切れ目なく画廊の壁面を一周しています。
ランダムに選んだドローイングです。
菌類などの微生物が主に描かれています。
同じく新聞記事です。
記事は科学記事で、やはり菌類などの微生物に関するものが主です。
ドローイングと新聞記事の枚数は76×2+1+2になっています。
〈作家コメント〉
新聞とドローイングによるインスタレーション
横一列に画廊壁面を一周するインスタレーション。
インスタレーションの中身は新聞記事の切り抜きと小さなドローイングです。
前回も新聞記事の切り抜きを使用したインスタレーションでしたが、今回は記事に対応したドローイングを対にして展示しています。新聞記事の切り抜き(スクラップ)は今でこそあまり見かけませんが、昭和の時代のデーター収集としてポピュラーでした。
デジタルで言うところのカット&ペーストで、ハサミと糊を使ってノートに貼り込み、スクラップブックを制作しました。
今思うとそのアナログ感はとても貴重で、レコードが復活している昨今、スクラップブックでのデータ収集も個性的な趣味かもしれません。
その手作り感と切り抜いた新聞記事の存在感、スクラップが増えれば古い記事からは過ぎた時間が立ち上ります。
何より、不意に起こるHDクラッシュでデータが消失することもありません。さてスクラップには収集する分野が必要になりますが、川口さんの場合は科学記事。
今回は微生物の記事を集め、その横に微生物をモチーフにしたドローイングを並べています。
それを帯のようにして展示していますが、白地の印刷とドローイングの黒地が交互になっていて、面白い効果を生んでいます。わたしはマクロ(天体宇宙)には子供時代から興味があったのですが、ミクロ(微生物の世界)には目が向きませんでした。
ところがここ数年、樹木、植物に関する書物で感化され、そこからキノコを初めとする菌の世界に突入しました。
これがやたらと面白い。
大げさでなく、読後に世界を見る目が少し変わりました。
生態系の基底(ベース)に微生物が関与している、とても不可思議な世界の存在に気付くからです。
そんな生半可な知識であっても、川口さんの微生物をテーマにしたインスタレーションの面白さは格別です。
目に見えないが、わたしたち人間の生存にも欠かすことの出来ない微生物。
その生態系におけるドラマがスクラップされ、そこから想を得たドローイングとのコラボが楽しめる。
スマートフォンのモニターから眼を離し、川口さんの目を通した微生物の絵巻物(?)をご覧あれ。
そこには人間中心の思想から離れた、万物の生態のパノラマが見えてくると思います。ご高覧よろしくお願い致します。
2003年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2013年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
会期
2023年10月2日(月)ー10月7日(土)
11:30ー19:00(最終日は18:00まで)
会場案内