藍 画 廊



川口尚子展
KAWAGUCHI Naoko


川口尚子展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧いただきます。
画廊入口から見て、左側の壁面です。


展示されている作品は、小さなガラスに墨で描かれたものです。
左壁面の展示数は28点。
サイズはまちまちですが、18×10cmほどの大きさが中心で、大きさにさほどの違いはありません。
波形に展示されているのが目を引きます。



正面の壁面です。
展示数は22点で、波は右壁面から続いています。



右側の壁面です。
展示数は31点です。



入口横の壁面です。
展示された作品の波はここで一周して終わります。
この壁面の展示数は21点です。
展示数の総計は102点で、小さなガラスは、白くペイントされた(壁に固定された)木片で支えられています。



展示された作品をランダムにピックアップしてご覧いただきました。
墨で描かれているのは、川口さんが日頃目にし、作品の基盤にしている、新聞などの科学記事からだそうです。
(菌類などの原始生物や植物の胞子などの顕微鏡写真が、しばしば科学記事に載っていますね。)
基になっているといっても、すべてが写生というわけではなく、頭に残っているイメージを描いたものも多数あります。

小さなガラスに描かれた様々なカタチや模様。
どれ一つとして同じものはありません。
というより、世の中のカタチや模様の種類は無限であり、ここにあるのは川口さんが選択した一部に過ぎません。

カタチとは何か。
川口さんの作品を見ていると、それを考えさせられます。
そしてそのカタチの作り出す(シンプルでありながら)多様な表出に、少し驚きます。
この広い宇宙、世界のカタチは、このようなカタチの連鎖や重複で成り立っています。
それを想像すると、軽いめまいに襲われます。

川口さんが描くカタチの多くは、生命そのものか、生命に関係しています。
生命とは何か。
それはカタチの問題以上に難しい問いですが、その二つはどこかで結びついています。
カタチと生命。
人類の知恵の(わずかな)進化の遙か彼方で、無限のカタチ、生命が厳然と存在している。
そして、その二つは不可分に結びついています。

画廊の壁面に波が作られています。
それはカタチと生命の美しい結晶の波です。
波に囲まれて、わたしの想は遠い世界を彷徨っています。
それは同時に、わたし自身の内側の宇宙への想です。

ご高覧よろしくお願い致します。

2003年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2007年藍画廊個展

会期

2010年5月3日(月)-5月8日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内