日比野絵美展
楽園
HIBINO Emi
日比野絵美展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の6点が展示室の展示で、その他小展示室に13点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品はすべて銅版画です。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面左の作品です。
タイトル「no title」で、サイズ90×90cmです。
左壁面右の作品です。
タイトル「no title」で、サイズ103×112cmです。
正面壁面左の作品です。
タイトル「no title」で、サイズ103×110cmです。
正面壁面右の作品です。
タイトル「白昼夢2」で、サイズ21×24cmです。
右壁面の作品です。
タイトル「silence」サイズ可変です。
入口横壁面の作品です。
タイトル「no title」で、サイズ19×19cmです。
〈作家コメント〉
自分にとって気持ちのいい形や線を探して版に向かっているうちに10年以上時間が経過していました。
私が追っているものはまだはっきり見えないけれど、
そうして作り上げてきた空間は私にとっての楽園なのです。
日比野さんの作品は銅版画ですが、カーボランダム(凸版)という形式を用いているのが特色です。
太い筆で描いたように見える作品はこの形式で制作されています。
表されている絵は、丸や四角や線などのシンプルなカタチを繰り返すスタイルです。
それを白いギャラリーの壁を美しく見せるようにレイアウトして、それ自体が一つの大きな作品のように提示しています。
その表現が回を重ねるごとに力強くなり、洗練の度を増すのはさすがの力量です。
新作を見るのが楽しみな作家の一人です。カタチを繰り返すのは、造形的な試みであると同時に日常のメタファーでもあります。
それは批評的でもあって、退屈な日常を改めて見直すことになります。
ところで、多くの人が退屈とも思ってしまう日常はいつからそうなったのでしょうか。
人類が地球上に生まれてからズーッとそうだったわけではないと思います。
やはり産業革命が起きて、いわゆる近代の時代になってから、機械的に繰り返す退屈な日常になったと言ってよいでしょう。
日本の江戸時代にそのような嘆きがあったとは思えませんから。なぜ退屈になったかを考えてみると、それは1日を機械的に時間で割り振るようになったからです。
そう、時間割の生活です。
会社で学校で自宅の生活で。
そして時間を直線的に過去から未来に続くものと考えるようになってからです。
その昔は時計ではなく、太陽の軌跡などの自然の移り変わりが時の経過でした。
だから直線的に同じ時間を繰り返すのではなく、微妙な四季の変化で循環する時間でした。日比野さんの銅販画は一見ミニマルな作品に見えます。
モノクロームで還元主義的な要素があるからです。
しかしストイックな印象は受けず、ノビノビとした空間に満ちています。
それは日常の時間を循環的にとらえているからではないでしょうか。
右壁面のスケールの大きな作品は、あたかも移り変わる日々で構成された1年の暦のようにも見えます。
「楽園」は遠くの南の島にあるのではなく、わたしたちの日常の中にあるのかもしれません。
ご高覧よろしくお願い致します。2011年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2018年iGallery DC二人展
2019年藍画廊個展
2020年藍画廊個展
2021年藍画廊個展
2021年iGallery DC個展
2022年藍画廊個展
会期
2023年5月8日(月)ー5月13日(土)
11:30ー19:00(最終日は18:00まで)
会場案内