画廊からの発言-新世代への視点2020
酒井みのり
-つらつらとしない毎日のこと-
SAKAI Minori


本展は東京現代美術画廊会議企画 画廊からの発言-新世代への視点2020の一環です。
8画廊が推薦する40歳以下の新鋭作家による個展を各会場で開催します。
http://www.galleryq.info/news/news_newgeneration2020.html
藍画廊の酒井みのり展
の展示風景です。



各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。
以上の7点が展示室の展示で、その他小展示室に4点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品の詳細です。



左壁面、左端の作品です。
タイトル「食べごろに見えるアボガド」(アクリル絵具、鉛筆)でサイズ2730×2300mmです。



左壁面、右端の作品です。
「赤いネットに入ったみかん、ぎっしり」(透明水彩絵の具、アクリル絵具)で1303×1620mmです。



正面壁面の作品です。
「まるい洗濯ネット」(リトグラフ、木版)で600×900mmです。



右壁面、右端の作品です。
「洗濯ネット、スカスカの」(木版)で600×900mmです。



右壁面、左端の作品です。
「くつ下のはき口」(木版)で600×900mmです。



入口横壁面、左端、右端の作品です。
左は「赤いワンピース」(アクリル絵具)で2730×1415mm,
右は「花柄のワンピース」(アクリル絵具)で2730×1415mmです。

〈作家コメント〉
生活を大切にして生きていきたいという思いから、生活をテーマに、日記を書くように、制作を続けてきました。
しかし私は生活を送るための労働や、制作をするために生活を犠牲にしてきました。
生活や世界を見つめる余裕をなくすことも有りますが、制作を通して大切な生活や、私を取り巻く世界を見つめていきたいです。

酒井さんの制作の基本は日常の生活にあります。
毎日繰り返される生活の中に分入って、その部分をクローズアップする手法で作品を作ってきました。
主に食品や衣服、それに日常生活の場となる家などがモチーフです。
今まではそれらの断片のクローズアップがメインでしたが、今回はそのものの巨大化が目立ちます。
アボガドやみかん、ワンピースを思い切りスケールアップして描く。
従来からの版画による断片のクローズアップも健在で、視点の混在が面白い展示になっています。

酒井さんはもともと美大で版画を学んだ作家で、当初は版画(リトグラフ)のみの制作でした。
個展の回数を重ねるうちに、直接描画するドローイングなどが増え、展示方法も多岐に渡っています。
多種類の情報が流れる日常に対応するかのような変化で、近年の美術の傾向でもあります。
一芸に奥深く励むも良し、多芸で多様な視野を持つのも良し、どちらも有りの状況です。

美術などの創作活動は、生活の中心では有りません。
人間にとっては、今も昔も衣食住が中心です。
しかし近代以降はその生活をサポートすべき立場の金融や不動産、広告、情報などの産業が進出しています。
その流れによる弊害が著しく、それを監視(ウォッチング)して是正を試みるのが美術の役割です。
本当の人間の生活とは何か、どこで道を間違えて今に至ったのか。
文字通りウォッチ=見つめるのが美術です。
酒井さんのクローズアップや巨大化は、生活に潜り込んでのパトロールであり、生活のリポートです。
さしずめ現代のガリバー旅行記、日常生活バージョンです。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2019年藍画廊個展

会期
2020年7月27
日(月)ー8月8日(土)
8月2日(日)休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内