酒井みのり展
食べ物とからだ
SAKAI Minori
酒井みのり展の展示風景です。
各壁面ごとの展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の7点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面、左端の作品です。
タイトル「おさしみの形」(油彩)でサイズ1167×910mmです。
左壁面、中央と右端の作品です。
左は「あのいえは赤い」(ミクストメディア)で125×176mmです。
右は「あみあみの家」(ミクストメディア)で130×150mmです。
正面壁面の作品です。
「キラキラのおさしみ」(リトグラフ)で600×900mmです。
右壁面、左端の作品です。
「切り口のキレイなたらこ」(リトグラフ)で600×900mmです。
右壁面、右端の作品です。
「ぶつ切りの長ネギ」(リトグラフ)で600×900mmです。
入口横壁面の作品です。
「なくならない家」(ミクストメディア)で125×176mmです。〈作家コメント〉
体は細胞から出来てきて、細胞は食べた物から出来ている。
私は毎日同じおにぎりを沢山たべる、お肉を食べない日もあれば野菜を食べない日もある。
おにぎりが細胞になって私の体になっている。酒井さんの油彩やリトグラフの「おさしみ」を見ていたら、ある有名な油絵が頭に浮かびました。
それは高橋由一の「鮭」です。
明治初期、日本の油絵のマイルストーンとも言うべき作品で、そのリアリズムは後世に大きな影響を与えました。
高橋由一はなぜ鮭をモチーフにしたのでしょうか。
一つの興味深い説があります。
それは北米のネイティブや北海道のアイヌが、自分たちを鮭の末裔と考えていたということです。
それにインスパイアされて鮭を描いた。
その説の信憑性はさておき、人と食べ物の関係で言えば、酒井さんの作品と大いに親和性はあります。
酒井さんも人の体の基(元)は食べ物から出来ていていると考えているからです。
高橋由一も酒井さんも日常のありふれたモノをモチーフにして、遥かな遠くを見ています。
人間の生活の基本は衣食住という言葉で表されています。
酒井さんが最初に注目したのは服などの衣料でした。
それから食べ物にいって、家が出てきました。
今回も食べ物と家。
それらは最初から意図したことではなく、自然の成り行きだそうです。
気が付いたら日常の衣食住に興味があった、ということです。
今回の展示で印象的なのは長ネギを描いた「ぶつ切りの長ネギ」です。
色とりどりの線がこんがらがって、ぶつ切りの長ネギになっているリトグラフ。
由一のリアリズムから150年ほど、長ネギはこんな姿で描写されるようになりました。
由一が生きていたら是非見せたいですね。
さて、酒井さんの食べ物の間でシンプルに表された小さな家のシルエット。
よく見るとマチエールが各々違っていて面白い。
実物の網のように見えるドローイングもあって、食べ物シリーズの拡大クローズアップとの対比も見ものです。
日常の探検はまだまだ続きます、次の展開が楽しみな酒井さんの表現です。
ご高覧よろしくお願い致します。
2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
会期
2017年3月20日(月)ー25日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内