瀬古徹展
風通しの良い部屋
SEKO Toru


瀬古徹展の展示風景です。



各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上展示室の展示が11点で、その他小展示室に1点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端、中央、右端の作品です。
左はタイトル〈a board no.224〉(Tempera on canvas on board)で、サイズ77×65×18mm、
中央は〈a board no.219〉(Tempera on canvas on board)で85×60×18mm、
右は〈a board no.217〉(Tempera on canvas on board)で79×57×16mmです。



正面壁面、左端、右端の作品です。
左は〈a board no.212〉(Tempera on canvas on board)で90×55×15mm、
右は〈a board no.214〉(Tempera on canvas on board)で95×56×15mmです。


右壁面、左端、中央、右端の作品です。
左は〈a board no.223〉(Tempera on canvas on board)で89×54×17mm、
中央は〈a board no.216〉(Tempera on canvas on board)で82×56×16mm、
右は〈a board no.218〉(Tempera on canvas on board)で85×56×18mmです。



入口横壁面、左端、中央、右端の作品です。
左は〈a board no.215〉(Tempera on canvas on board)で82×53×16mm、
中央は〈a board no.226〉(Tempera on canvas on board)で88×51×18mm、
右は〈a board no.213〉(Tempera on canvas on board)で95×58×15mmです。

 

風通しの良い部屋

日常を旅する散歩番組が好きだ。
登場人物がいるのは、湿った土と、積もったホコリの中。
これらこげ茶やグレーは、純粋にではなく、ゴミとなった菓子袋と 一緒にある。

蒸し暑い季節に体験したその色彩は、不快感とともに私の身体に
残っていた。

混乱を与える。
そこから救いを求める。
それが私のやり方だ。

しかし作品は、静寂をいっぱい吸い込んで、風通しの良い部屋にあ
ることを望んでいる。

20191118 瀬古 徹

瀬古さんの作品、今回も変化があります。
四角の小さな板が基本ですが、それの辺を削ったり、中に穴を穿ったりして不定形なカタチにしています。
彩色もオイルからテンペラに変わり、縦のラインを基調にしたコントラストの強い描画になっています。
しかし印象はいつもの瀬古さんの絵画/物体であり、空間の在り方です。
インスタレーションのようでもあって、どこか違う。
各々の絵画/物体はピース(片)ではなくて独立していて、しかも全体としても一つの空間を構成しています。
言ってみれば、名付けようのない形式の作品です。

いつもより感じるのは、それが個の主張とは遠いところにあることです。
西洋美術の歴史を見れば、神の視点から解き放されて以降、主役に座ったのは個人です。
地位や身分とは切り離された、ひとりの人間が世界の中心になったのです。
瀬古さんの絵画/物体や展示の作法を見ていると、個の視点なり、主張なりがとても控え目です。
絵画/物体は西洋美術に沿ったものですが、全体からみれば風景の一部のようで、壁に溶け込んでいます。

以前から瀬古さんは、自身の作品を家具のような音楽=環境音楽と喩えていました。
つまり、過度に存在を主張することはなく、環境の一部として佇むことを旨としていました。
そのために技術に工夫を凝らし、空間に馴染む形体と色彩に注力しました。
出っ張りすぎず、沈みすぎす、新しすぎず、古すぎず、丁度の塩梅に苦心したのです。
それを昔の人は中庸と呼びました。
東洋的な考え方、立場です。

個が個であることは重要ですが、そればっかりでは疲れるし、角が立ちます。
何よりも空間(部屋)の風通しが良くない。
穏やかな空気の中で、程よい音量で流れる音楽。
耳を傾ければメロディもリズムも親密で刺激的だが、そこに在ることを必要以上に訴えない。
そんな中庸の美が、今の世の中にはもっとあっても良いと思います。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2003年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2011年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2013
iGallery DC個展

2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展



会期

2019年11月18日(月)ー23日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内