金井聰和展
ーつぶての庭ー
KANAI TOSHIKAZU
金井聰和展の展示風景です。
以上の7点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面、右壁面の作品です。
左はタイトル「つぶのにわ 」(陶)でサイズ17×13×6.5cm、
右は「つぶと樹 」(陶)で9.8×12×8.5cmです。
入口横壁面の作品です。
「つぶのにわのき」(陶)で20.5×20×19cmです。
床のインスタレーション作品です。
「つぶての庭 」(木、陶、真鍮)で119×200×200cmです。
台座上の立体作品3点です。
左は「泉1 」( 陶、枝)で 32×20×20cm、
右は「泉2 」(陶)で 24.5×25×21cmです。
「泉3 」(陶)で38×30×32.5cmです。
<作家コメント>
太平洋戦争末期に各地の窯業地で作られた陶製の手榴弾を見た事がある。
手際のいい職人技で仕上げられた球体を思い浮かべながら制作していると、無数の星々の炸裂する天球の庭に近づけるような気がする。
壁面と台座の陶の立体、その中心に設置されたインスタレーションの作品。
いつもはクールなホワイトキューブ(ギャラリー)が、穏やかで何とも心地良い空間に変貌しています。
その謎は、陶でできたつぶて=小石にあります。
人類の歴史の大部分は石の文化です。
石は器具であり、武器であり、信仰の対象でした。
その時代は、現代に比べれば人の寿命も短く、生活も貧しく、至極不便な時代でした。
しかしそこには本当の文化があったように思えます。
その文化の豊かさが、本展の空間を満たしています。
だから、気持ち良く、身体が馴染むのです。
近年のベストセラー歴史書にジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』があります。
ユーラシア(ヨーロッパ)文明の世界的な拡散を表題の三つで分析した著作です。
詳細は省きますが、鉄の出現が文明を開き、後の帝国主義(鉄は国家なり)を生んでいます。
つまり、石器の時代とは未開の時代のことに他なりません。
太平洋戦争末期の陶製手榴弾(!)の発想を逆転した金井さんの作品の根底には、石の文化があるような気がします。
そして、縄文で代表される土器の文化。
そこには人間の手、身体と自然が交差した、長い歴史が見られます。
わたしたちのDNAの奥深くに刻み込まれたそれらの風景が、懐かしく、金井さんの作品に表出しているように思えます。
だから、気持ちや身体が緩んで、解放されていくのです。
ご高覧よろしくお願い致します。2004年藍画廊個展
2013年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2019年iGallery DC個展会期
2021年9月27日(月)ー10月2日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)
会場案内