洲崎正隆展
SUZAKI Masataka
2013年度最初の展覧会として、洲崎正隆展を開催致します。
本年も藍画廊をよろしくお願いいたします。
洲崎正隆展の展示風景です。
各壁面ごとの展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「作品 010」(塩ビパネル・アクリル絵具・パステル・色鉛筆)でサイズ91.5(H)×90.5(W)cm、「作品 011」(塩ビパネル・アクリル絵具・パステル・色鉛筆)で90.5×91.5です。
正面の壁面です。
「作品 012」(塩ビパネル・アクリル絵具・カラーインク)で92×128です。
右側の壁面です。
左から、「作品 007」(アクリルパネル・アクリル絵具・パステル・色鉛筆)で61×92、「作品 005」(アクリルパネル・アクリル絵具・パステル・色鉛筆)で61×92、「作品 008」(アクリルパネル・アクリル絵具・パステル・色鉛筆)で45×60です。
入口横の壁面です。
左から、「作品 014」(アクリルパネル・アクリル絵具・カラーインク)で54×91、「作品 013」(アクリルパネル・アクリル絵具・カラーインク)で54.5×70です。
以上の8点が展示室の展示で、その他小展示室に2点、事務室壁面に1点の展示があります。
左壁面の「作品 010」です。
洲崎さんの作品の特徴は塩ビパネルやアクリルパネルに直接描いていることです。
一般的なパネルやキャンバスと違い、色が浮き出てくるような効果が得られます。
この作品、中心の濃いブルーと周辺の薄いブルーの境目が不確かで、眼の焦点が合いません。
色そのものを見ているような美しい作品。
左壁面の「作品 011」です。
制作過程で重要なのは、色を塗り重ねる度にサンドペーパーで研磨することです。
そうすることによって絵具が均一に付着します。
中心の赤と周辺の色との対比、赤の色合いの複雑な様子が面白い作品です。
正面壁面の「作品 012」です。
具象画でもない、抽象画でもない絵画です。
右壁面の「作品 007」です。
赤のモノトーンに近い画面ですが、眺めているといろいろな色が見えてきます。
右壁面の「作品 005」です。
これもモノトーンに近い画面ですが、塗り重ねた色が透過された光によって浮かび上がってきます。
入口横壁面の「作品 014」です。
色のぼやけた感じが何といえない作品。
〈作家コメント〉
「草木国土悉皆成佛」
人間も草や木と同じように地球の一部にすぎないという東洋思想
すべては理路 因果が錯綜しつつ統一しているという発想
作品は空白の中から立ち上がり空白の中へ戻ってゆく
一方的に気持ちを込めすぎない、そして観た人が何かを感じられる世界。
草木国土悉皆成仏とは草木や国土のような心識をもたないものも,すべて仏性を有するので,ことごとく仏となりうるという意味の成語です。
この考え方は洲崎さんの作品の根幹の部分にありますが、直接それを示唆するようなものが画面にあるわけではありません。
ただ、作品をじっと眺めていると作品の成り立ちに深い思想を感じられます。
塩ビパネルやアクリパネルに直接、筆ではなくパレットナイフで描くこと。
これが洲崎さんの作品の最大の特質です。
塩ビパネルやアクリルパネルは通常のパネルやキャンバスに比べるとチープな素材と思われます。
しかし使い方次第のよっては、この洲崎さんの作品のようにチープさが払拭されて、光を透過させるという特徴が最大限に活かされます。
絵具はアクリル絵具とパステル、色鉛筆、カラーインク。
顔料系と染料系を混交して使用しています。
洲崎さんに尋ねたところ、初めて使用した染料系のカラーインクの効果に魅かれたとのことです。
独特のボヤッとした焦点の合わし難い画面はその所為かもしれません。
色。
洲崎さんの作品は色で成り立っています。
色そのものを抽出したような画面は、ミニマムでありながら豊かな色の響があります。
浮遊するような色は、塩ビやアクリルのパネルに負うところが大きく、そこに光を感じます。
その色は、普段わたしたちが目にしている反射光による色とは異なった透過光の色に近いものです。
絵画。
絵画は多様です
思ったよりも、多様です。
洲崎さんの作品も形式的には異端であっても絵画です。
しかし、これらの作品は絵画である前に、洲崎さんの作品であるような気がします。
名付けようない、洲崎さんの作品であるように思えます。
ご高覧よろしくお願い致します。2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2011年藍画廊個展
会期
2013年1月7日(月)ー1月19日(土)
13日(日)、14日(月、祝)休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)