iGallery DC

松嶋励路展
- Color/Still Life -
MATSUSHIMA Reiji




松嶋励路展の展示風景です。






上から、画廊入口から見た左壁面左側と右側及び正面壁面、右壁面の展示風景です。
以上の13点で松嶋励路展は構成されています 。
作品はすべて「油彩/アクリル地,MDF 板」を使用しています。
作品の詳細をご覧下さい。


左壁面左側の作品です。
左からタイトル「Color 24-a」、「Color 24-b」ですべてサイズは50.3×45×4.5cmです。

 


左壁面右側の作品です。
左から「Color 24-c」、「Color 24-d」、「Color 24-e」ですべて50.3×45×4.5cmです。



正面壁面の作品です。
「COLOR 22-23-f」で201.2×90×6cmです。



正面壁面エアコン下、右壁面左側の作品です。
左から「Color 24-c」で50.3×45×4.5cm、「Still Life 24-a」、「Still Life 24-b」で36.4×45×2cmです。

 


右壁面右側の作品です。
左から「Still Life 24-c」、「Still Life 24-d」、「Still Life 24-e」、「Still Life 24-f」で36.4×45×2cmです。


作家コメント/履歴


松嶋励路さんの絵画は一見するといわゆる抽象画に見えます。
クレーやカンディンスキー、アルバースの絵画に似ているからです。
しかし時間をかけて作品と対峙すると、それらの抽象画とは異なる文脈の絵画であることに気付きます。
抽象画はクレーの著作に代表されるように、近代の理論が生んだ絵画です。
理論が絵画の構造の裏付けになっています。
松嶋さんの絵画もまた理論が裏付けになっています。
このページにテキストのリンクが貼ってありますが、それを読むと抽象画の理論とは違うことが解ります。
少し難解で長文ですが、興味のある方は是非お読み下さい。
ここではテキストとは異なるアプローチで松嶋さんの絵画を考えてみます。

近代の理論は1980年代のポストモダンによって過去のものとされます。
美術において近代の理論が行き着いた先は、コンセプチュアルアートとミニマリズムです。
概念芸術と還元主義ですね。
それによれば絵画とは画布と木枠と絵具で構成された物質で、内容は現実の何かをコピーしたものであるという「事実」です。
面白くも何ともない事実ですが、事実には違いありません。
物質とイリュージョンに断定された絵画は終焉の烙印を押されます。
絵画は袋小路に入ってしまったのですが、その後にニューペインティングのブームがやってきて、同時にポストモダンという理論が登場します。
そこで絵画に「引用」の手法が取り入れられ、物語性の復権と共に具象絵画が息を吹き返します。
「引用」は抽象にも可能ですから、絵画の具象と抽象の分け方自体も無効になりました。

さてそれでは、松嶋さんの絵画は「引用」のポストモダンであるかと言えば、どうも違うようです。
あくまでも西欧近代絵画と地続きのモダンにように思えます。
色彩と絵の成り立ち、構図がモダンなのです。
つまり、美の基準がモダンの系譜なのです。
十数年前最初に松嶋さんの絵画見た時に感じた印象派の色彩、今回のモランディの静物画を彷彿させる-still life-の連作などが、「引用」とは異なる視覚体験を齎すのです。
この独自の透明感を生む美しい絵画は松嶋さんの「光」に対する考え方、理論です。
テキストに詳しい理論と、恣意を嫌いながらしかも偶然を排除しない手法です。
それが近代絵画の単なる続編でもなく、ポストモダンでもない理由です。
そして、その達成に必要な気の遠くなるような制作方法です。
(1点の絵画に1年から1年半の時間を要するのです!)
思い付きでヘタな理屈を並べてしまいましたが、絵画は二次元であり、その平面性こそが絵画の魅力であることを証明したような今回の作品です。

ご高覧よろしくお願い致します。


作品リスト1
作品リスト2

2024 COLOR Text
“Color 24 a-f” における画面分割の方法(√5/2矩形)
2024 Still Life Text

2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2020年藍画廊個展
2021年iGallery DC個展
2023年藍画廊個展

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松嶋励路展 - Color/Still Life -
会期:2024年11月21日(木)〜12月8日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00


会場アクセスと展覧会スケジュール