馬場まり子展
BABA Mariko
馬場まり子展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の4点で馬場まり子展は構成されています。
作品はすべてボード、キャンソン・ミ・タント紙、アクリル樹脂絵具を使用しています。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の作品です。
タイトル「模様の試作III」でサイズ200×150cmです。
正面壁面の作品です。
「死者と果物」で180×298cmです。
右側壁面の作品です。
「模様の試作IV」で200×150cmです。
入口横壁面の作品です。
「模様の試作 I 」で200×150cmです。〈作家コメント〉
1941年に広島で生まれました。(その日には私は両親と秋田に居たようです。)
絵を描くようになってから“平和”をとても意識するようになりました。
世界の平和を願っての私の絵です。今回の馬場さんの展示、各壁面に1点、合計4点と数を絞っています。
正面に横3メートル弱の大作「死者と果物」、他の壁面は「模様の試作」シリーズです。
まず眼に飛び込むのは、本展のハイライトとも言うべき「死者と果物」です。
この作品は前回の出品作「オフィスレディIII・平和」の続編で、戦争をテーマにしています。
作家コメントにあるように、馬場さんは広島の出身です。
広島は被爆地であり、先の大戦で最も悲惨な被害があった地です。
「死者と果物」は戦争をテーマにしていますが、モチーフに選んだのは果物。
しかも大画面一杯に溢れんばかりの果物が描かれています。
そこに銃と死者と女性。
果物は豊潤な自然の実りを表していると思います。
銃と死者は、人間の愚かさを表していると思います。
女性は、作者自身でしょうか。
この絵が強烈にポジティブなのは大きく描かれた果物のエネルギーです。
それが絵をはみ出して、見る者のこころを射ちます。
描かれた果物が死者を弔い、平和の印(シンボル)になっているのです。
とても優しい絵ですが、とても強烈な絵でもあります。
それを成立させているのは、着想を膨らませる豊かな想像力と確かな技量です。
「模様の試作」シリーズは幾何学模様をモチーフに遊びを交えた、これも又馬場さんらしい作品です。
幾何学模様のカラフルな展開に、多様な人物像が交錯している図が何とも楽しい。
簡略な線(ドロー)だけの人がいれば、精細に描いた人々もいて、中にはイタズラ書き(グラフィティ)のような人もいる。
そこには馬場さんの目に映る世相が多彩な幾何学模様と戯れています。
「死者と果物」と「模様の試作」シリーズに一貫するのは、画面の余白とメチャクチャでシュールっぽい写実です。
そこには西洋的な絵画のリアルとは大きく異るリアルがあります。
馬場さんの絵は一見フラットに見えますが、空間や次元の構成が多層で奥が深いのです。
それを支えているのが余白で、幾つもの層(レイヤー)が共存しながら一つの画面を作り上げています。
これは映像にはない、絵画だからこそ可能な表現だと思います。
ご高覧よろしくお願い致します。2011年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展会期
2017年10月16日(月)ー28日(土)
日曜休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
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