藍 画 廊



馬場まり子展
BABA Mariko

馬場まり子展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
タイトル「人々III」で、サイズ180(H)×145(W)cmです。



正面の壁面です。
「人々IV 」で180×290です。



右側の壁面です。
「人々II」で180×145です。



入口横の壁面です。
「人々I」で180×145です。

以上の4点で馬場まり子展は構成されています。
作品はすべてパネル、キャンソン・ミ・タント紙、アクリル絵具、アクリルガッシュを使用しています。



左壁面の「人々III」です。
タイトル通り、人々が描かれています。
右側の画面は余白になっていて、下には太陽が輝いています。

何といっても面白いのが人々の描写。
サラッと描かれているようで、人物の特徴を見事に活写しています。
ここでは白い人物に注目して下さい。
右側の余白と繋がっていて、独自の奥行きを表現しています。



正面壁面の大作、「人々IV 」です。
ここに描かれている人物は約170人。
そのすべてが個性豊かで生き生きとしています。
右側には「人々III」と同様、奥行きを出すために、余白に雲と松が描かれています。



「人々IV 」の部分のクローズアップです。
面白いですね〜。
街の人々が表情豊かに存在しています。
ヤクルトおばさんもいれば、サラリーマンもいて、交通整理のおじさんがいると思えば、幽霊のような人物もいる。
この作品だけ顔が描かれていますが、その顔も簡略化されているようで、実に特徴が捉えられている。
作品は写真やスケッチ、想像を基にしているそうですが、確かなデッサン力に支えられています。



右壁面の「人々II」です。
この作品は視点がユニークですね。
上方からの視点を基調にして、自由自在に視点を変えて人物を描いています。




入口横壁面の「人々I」です。
この作品も人物を自由に配置しています。
(中央のリュックを背負う人物は、馬場さんの作品によく登場しますね。)
そして画面を囲む余白が独特の奥行きを作っています。


<作家コメント>

今回はわたしの目にとまったいろいろな人々を描きました。
この絵には170人ぐらいいます。
東洋絵画の空間を新しくする―奥行のある空間―という問題意識を持ち続けています。



まず馬場さんの絵、文句なく楽しい。
群像を描いた風俗画は日本画の伝統にありますが、それを継承するような作品です。
しかも今という時代が無理なく浮き出ている。
一人一人を見ていても、一向に飽きない確かな描写力にも感心させられます。

しかし自由な絵ですね。
その自由さは、技法的な自由さではなく、精神の自由さだと思います。
何事にも捉われず、自由に発想して、新しいものに挑戦する精神。
そこから自由な絵が生まれています。

さて、ー奥行きのある空間ー。
馬場さんのテーマです。
ここで言う奥行きとは、西洋絵画の遠近法とは異なります。
時空の奥行き。
わたしの解釈では、そのような奥行きではないかと思います。

余白を活かして奥行きを生む。
これは東洋画の特質です。
その余白は彼岸に達する余白です。
これを現代という時代で、群像で表現したのが、今回の人々シリーズです。

人を描く。
人々を描く。
この膨大とも思える人々の、一人一人の描写の、心のこもった丁寧さ。
そこから浮かんでくる街の風景は、確かに、新たなー奥行きのある空間ーを持っています。

ご高覧よろしくお願い致します。

2011年藍画廊個展

 

会期

2012年4月30日(月)ー5月12日(土)

5月6日(日)休廊

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



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