藍 画 廊

浜田涼展
媒質
HAMADA Ryo

浜田涼展の展示風景です。

画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「medium03」、「medium04」、「medium05」、「medium06」、「medium07」、「medium08」で、サイズはすべて270×420mm(シートサイズ)です。

正面の壁面です。
左から、「medium09」、「medium10」、「medium11」、「medium12」、「medium13」、「medium14」、「medium15」、「medium16」で、サイズはすべて270×420mm(シートサイズ)です。

右側の壁面です。
左から、「medium17」、「medium18」、「medium19」、「medium20」、「medium21」、「medium22」で、サイズはすべて270×420mm(シートサイズ)です。

入口横の壁面です。
左から、「medium01」、「medium02」で、サイズは共に432×650mm(シートサイズ)です。

以上の22点が展示室の展示で、その他に小展示室に1点の展示があります。
作品は写 真( ア ー カ イ バ ル ピ グ メ ン ト プ リ ン ト )で、エディションは5です。

左壁面の「medium03」と「medium07」 です。
例によって浜田さん独自のピンぼけ写真ですが、いつものように写真に加工を加えず、今回は写真そのものの展示です。
それで額装、マット入りという写真の正統的な文法を踏襲しています。

正面壁面の「medium09」と「medium15」 です。
これは比較的何が写っているのか分かりやすい写真ですね。
そう、建物が写っています。

右壁面の「medium20」 と「medium22」 です。
緑のある風景だと思いますが、左壁面の作品と同じ場所で撮影したそうです。
（角度、アングルを変えて撮ると、まったく違った画面になりますね。）

入口横壁面の「medium01」です。
この作品と「medium02」はマットが入っておらず、ガラスも無反射のものを使用しています。
さて、被写体は何でしょうか。
わたしは浜田さんに訊ねて知っていますが、教えません。
みなさん、この美しい写真の被写体を想像してみてください。
もしくは、そんなこととは関係なく、ただただ画面に魅入って下さい。

最後は小展示室の2枚の写真の作品「medium23」のうちの1枚です。
単独で見ても作品として成立しています。
このグリーンを配した画面は、何ともいえないですね。



浜田涼展、まず画廊に入って気が付くのは展示の工夫です。
微妙に各作品の配置に留意して、壁面全体、画廊全体に浜田涼の「写真展」を現出させています。

これが小細工にならず、作品を見る楽しみも倍加させています。
1点1点を見ながら、全体としても楽しむ。
インスタレーションとかそういうことではなく、作品の内容に沿った展示で楽しませてくれます。
空間のつかみ方、流石です。

さて、世の中女子カメラ、女子写真の一大ブームです。
「かわいい、素敵、キレイの瞬間をデジタルカメラでキャッチ！」。
デジタルカメラの需要が頭打ちになったので、女子をターゲットに一眼（ミラーレス）デジタルを売り込もうとする、メーカーの思惑が透けて見える仕掛けです。
そのためにカメラに多彩な機能を付加させ、女子の撮影意欲、消費意欲を刺激します。

浜田涼さんは女子ですが、そんな女子カメラブームとは関係なく、その対極に居る人です。
かわいい、素敵、キレイとは無関係な、カワイイ、ステキ、綺麗な写真を単機能で撮る人です。
そう、その写真は一見同じ様なカワイイ、ステキ、綺麗なのですが、写っているものが違います。
ここに本展によせた浜田さんのコメントがあります。
以下に転載します。

媒質　medium
ものとものとの間に存在するもの。
空気、水。

それは、隙間なく充満している。
私たちは、包まれている。
それでも、空っぽと言う。

浜田さんは、見えないものを撮っているのです。
それは空気とか水とか、在りながら在ることを主張しないものです。
そこに在って、わたしたちの存在を存在たらしめているもの。
世界を世界として認識させているもの。
それらとわたしたちの間にある関係性をテーマに、カワイイ、ステキ、綺麗な写真を撮っています。
そしてそれを「写真展」として構成しています。

空気や水が人間に必要なものであることは自明の理です。
問題は（それをも含みますが）そこにあるのではなく、認識の問題です。
存在するということがどういうことであるのか。
視るということがどういうことであるのか。
そのような認識を、空気や水を媒質として、表現していると思います。

再びですが、浜田さんは女子です。
そして浜田さんの瑞々しい写真は、女子にしか撮れない写真です。
浜田さんという、女子にしか撮れない・・・・。

ご高覧よろしくお願い致します。
（本ページの会場写真以外の作品画像は、浜田涼さんの提供によります。）

浜田涼藍画廊2001年個展
浜田涼藍画廊2002年個展
浜田涼藍画廊2003年個展
浜田涼藍画廊2004年個展
浜田涼藍画廊2006年個展
浜田涼藍画廊2007年個展
浜田涼藍画廊2009年個展
「世界」2010 浜田涼展

 

会期

2012年2月13日（月）ー2月25日（土）

日曜休廊

11:30amー7:00pm（最終日6:00pm）

会場案内