浜田涼展の展示風景です。
画廊入り口から見て、正面と右側の壁面です。
入り口右横壁面です。
左側壁面です。
以上の七点の他、道路側ウィンドウに二点の展示があります。
作品はすべて、PETフィルムに油性顔料インクジェットプリントし、フォトアクリル加工したものです。
作品を一点づつ、左側の壁面の作品から時計回りにご案内いたします。
ポートレイトですね。
ホテルのロビーのような広いところで撮影したのでしょうか。
作品サイズは、95×87cm。
被写体がたとえ知人だとしても、誰だか判別できないほどボケた画像です。
誰だか分かりませんが、その人の特質がうまく表現されている気がします。
ボケぐあいが計算されていて、背景の空間に拡がりがあります。
正面の壁面の左端の作品です。
サイズは、40×60cm。
風景です。
これもどこの風景か判別できませんが、絵画的な風景に見えます。
ここで作品の制作過程を簡単に説明いたします。
デジタルカメラで風景、人物を撮影し、コンピュータに取り込みます。
デジタル化された画像は業務用の油性顔料インクジェットプリントでPETフィルムに出力されます。
最後に、出力されたフィルムを薄い乳白色のアクリル板に接着(圧着)します。
フィルムとアクリル板が一体化されたものが作品で、平面でありながら立体(モノ)としての要素もあります。
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右側壁面の中央と右の作品です。
サイズは、右が40×26.5cm、左は40×60cm。
ポートレイトと風景ですが、両者の混在が本展の一つのポイントです。
右側壁面の作品です。
サイズは、65×70cm。
左壁面の人物は女性に見えますが、こちらは男性に見えます。
その程度の差異や大まかな年齢は判別できますが、それ以上は無理ですね。
この作品も、人物が配置された室内の奥行きの表現が見事です。
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空と建物のシルエットで構成された風景二点。
入り口横右の壁面です。
サイズは、左が40×60cmで、右は40×57.8cm。
浜田さんの作品をご紹介するのも今回で四回目です。
いずれもピンボケ写真を基にした作品です。
作品に変遷があっても、その基本だけは変わりません。
なぜ浜田さんはピンボケの写真を撮る(あるいはデジタル補正でボケさせる)のでしょうか。
正確な認識をするためにはクリアな視界が必要である、という常識があります。
精緻な観察は科学のベース、という前提もあります。
これを疑ったとき、又はクリア、精緻の欺瞞に目が行ったとき、浜田さんの作品の意味が浮上してきます。
美術とは、世界を在りのままにとらえようとする思索、行為のことです。
在りのままとは、どういう状態なのでしょうか。
そして、在りのままの世界と人との関係はどのようになっているのでしょうか。
ご高覧よろしくおねがいいたします。
浜田涼藍画廊2001年個展
浜田涼藍画廊2002年個展
浜田涼藍画廊2003年個展