浜田涼展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品タイトル「landscape-2005/14 」、「 landscape-2005/15」、「landscape-2005/16」、「landscape-2005/17」
「landscape-2005/18」、「landscape-2005/19」です。
入口横右の壁面です。
左から、「landscape-2005/21」、「landscape-2005/20」です。
左側の壁面です。
左から、「landscape-2005/11」、「landscape-2005/12」、「landscape-2005/13」です。
作品サイズは全点共通で 42.2(H)×26.6(W)×1.8(D)cm。
使用画材はPETフィルムに油性顔料インクジェットプリント、 アルポリック・ラミネート仕上げ、アクリル板です。
以上十一点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに二点(26.6×14.5×1.8cm)、芳名帳スペースに一点(14.5×26.6×1.8cm)の展示があります。
各壁面から一点づつ作品をご覧いただきます。
左壁面の「landscape-2005/11」です。
人物を撮影したものですが、ポートレイトというより、タイトルの意味する風景といった方が正しいと思います。
人物にフォーカスした(焦点をあてた)、風景です。
正面壁面の「 landscape-2005/15」です。
一見すると外国の(それも南欧辺りの)風景に見えますが、実際は浜田さんのご近所(東京下町)です。
窓越しに撮影した風景と思われますが、縦長の構図が新鮮です。
右側壁面の「landscape-2005/20」です。
会話をしている二人のスナップのようですね。
人物が写っている作品の撮影場所は、ギャラリー(主に藍画廊)だそうです。
つまり、ギャラリーの風景が被写体です。
入口横右の「landscape-2005/20」です。
地平に樹木のようなものが写されています。
モノクロームに近い色相ですが、微妙な色の変化が美しい作品です。
構図も見事です。
今回の展示、画廊の空間の美しさと心地良さが印象的です。
カチッとしたスクエアな構成が清々しく、しかも適度な温度が感じられます。
展示の計算と作品の空気が上手く融合しています。
(膨張する画面も巧みにフレームで押さえています。)
作品数もユックリ観賞するには適度な点数です。
ピンボケは浜田さんの作品の特徴ですが、前回までに比べると像が鮮明になっています。
何が写っているか分かり易くなっています。
(今までは、作品によっては眼を細めないと像を捉えることができませんでした。)
変化です。
ほど良いボケ具合と淡い色彩と美しい構図。
見方によってはちょっとアブナイ方向性です。
デザインとの近似があるからです。
しかし、浜田さんの作品はデザインではない。
なぜなら、何を表現したいかがハッキリしているからです。
表現されているのは、風景です。
彼女(浜田さん)の風景です。
窓から見た街並みは風景で、ギャラリーでの談笑も風景です。
彼女の生きている場所や時間が、風景として表現されています。
何故そんなことをするのかいえば、もちろん、自分の為ですね。
浜田さん本人の為です。
(多分)自分を知りたいが為に表現をしているのです。
一方で、わたしにはわたしの風景があります。
それと浜田さんの風景は違いますが、重なるところもあります。
具体的な場所や時間ではなくて、重なるのは、喩えてみれば空気のようなものです。
同時代に生きている人間としての、重なりです。
浜田さんの探求がわたしに無縁でないのは、表現の行く先の確かさと、その成熟度です。
ご高覧よろしくお願いいたします。