伊東三恵子展
ITO Mieko
伊東三恵子展の展示風景です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、作品サイズ66(H)×50(W)cm、53×46、53×46、50×60です。
正面の壁面です。
作品サイズは27×41・27×22・18×14(3点組)です。
右側の壁面です。
左から、作品サイズ53×46、46×53、53×46、41×60です。
入口横の壁面です。
作品サイズは53×66です。
以上の10点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品はすべて無題で、キャンバスに油彩です。
左壁面の3点です。
伊東さんの前回個展の展覧会タイトルは「人間模様」でした。
今回はタイトルが付いていませんが、テーマは続いています。
人体をイメージさせる、繭のような勾玉のような形体も引き継がれています。
伊東さんの絵画は抽象画で、極端な変化はありませんが、1点1点に工夫が凝らされています。
カラフルで古典的な要素をうかがわせる左の作品。
動物のユーモラスな歩みを描いたような中央の作品。
不透明な色彩を巧みに使った右の作品。
どれもが個々の(人間)模様を描き分けています。
正面壁面の作品です。
前回の正面壁面の作品の発展形ともいえる表現で、横の黒い線を主体にしています。
今回は縦の白い線はありませんが、画面を三分割して変化を出しています。
近づいて見ると、細かな絵の具の飛翔(飛び散った様子)がアクセントになっているが分かります。
分断されていながらも、繋がっている模様。
それはどんな人間模様なのか、想像してみて下さい。
右壁面の左端の作品です。
丁寧に描かれた地と、ボンヤリ浮かぶ三つの図。
見事な構図と色彩です。
秀作。
上の作品と連作のような同じ右壁面の作品です。
これもモノトーンに近い色調が何とも言えず良いですね。
右壁面、右端の作品。
他の作品と同様、単純な要素に深い模様が表されています。
入口横壁面の作品です。
個人的には展示作品中のベストだと思います。
横たわって、寄り添っているような白と赤の色彩と形状が、心に染みます。
何とも優しい作品。
いつまでも見ていたい、絵画。
伊東さんの表現、派手さはありません。
控えめで、画面の中に誘い込むような絵です。
しかし、しなやかで、ほどよい強度があります。
強すぎず、弱すぎない。
ほどよい強度です。
そして、絵が人に媚びていない。
自分の表現したいことを、自分のやり方できっちりと画面に定着させている。
これはとても重要なことです。
作品は人に見てもらって初めて作品になりますが、自分のために描くものだからです。
媚びるという事は、自分を大切にしていないことで、表現の陥りやすいワナです。
人間模様。
その模様の数は、人間の数に比例するのかもしれません。
一人一人の人間はみな違うのですから、模様も違っていて当たり前です。
その微妙な違いや機微を、伊東さんは手を抜かずに描いています。
その描く目は、優しい 。
人間を見る姿勢の底流に、ポジティブな感覚があるからでしょう。
だからどんな人間模様を描いていても、素直な気持ちでそれと対面できます。
ご高覧よろしくお願い致します。
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
会期
2011年9月26日(月)ー10月1日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)