伊東三恵子展
ITOH Mieko
伊東三恵子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品サイズ500 × 606mm(キャンバス・油彩)、
650 × 530mm(キャンバス・油彩)、
650 × 530mm(キャンバス・油彩)、
650 × 530mm(キャンバス・油彩)です。
入口横右の壁面です。
左から、515 × 728mm(パネル・油彩)、
650 × 530mm(キャンバス・油彩)です。
左側の壁面です。
左から、500 × 606mm(キャンバス・油彩)、
515 × 728mm(パネル・油彩)です。
以上の八点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに二点の展示があります。
左側壁面の作品です。
最初にご紹介するのがもったいないような、展示中ベストな作品です。
もちろんわたしが勝手にそう思っているだけですが、この作品の配色と形には目を奪われます。
背景になっている薄青に流れる雫(?)も、何ともいえません。
比較的小さなサイズの一点ですが、広い左側壁面に映えています。
正面壁面、三点連作の中央の作品です。
コントラストの強いモノクロームの二点に挟まれていますが、この作品も同傾向です。
下の赤い二つの繭状の形が主で、上の四つの楕円が従に見えます。
赤は親しい関係で、上は世情や世の中の流れ、でしょうか。
そんな想像が湧く作品です。
右端の作品です。
狭い場所に寄り集まっている五つの細長繭。
家族とか会社とか、そのような共同体の内側に見えます。
親しみと微妙な距離が、画面から伺えます。
シンプルな形、構図ですが、見飽きることがありません。
右側壁面の作品です。
左側壁面の作品と対になっている作品で、その対照が表現の妙になっています。
クッキリとした左側壁面作品に対して、しっとりした感触を受けます。
この作品も、雫がとっても良い効果を出しています。
最後は入口横右壁面の左の作品です。
左下の二つ、親子でしょうか。
浮き出ているような形の在り方が、何ともいえません。
背景の細やかな筆致が、作品に空間を与えています。
作品は作家の手を離れれば、見る者の自由です。
一定の見方というものは、ありません。
自由に想像力を働かせて作品の内側に入っていくのは、見る者の特権です。
伊東さんの作品、想像力が働きます。
わたしのような想像力の乏しい人間にも、働きかけてきます。
かといって、作品は饒舌な方ではありません。
むしろ、寡黙です。
その寡黙さ、シンプルさが、想像力を喚起させます。
作品に表現されているのは、言うに言われない、時間と空間の在り方です。
言葉で人に伝えられない、在り方です。
それが、絵画という表現手段で、表されています。
一つ一つの作品の表現は、すべて異なっています。
生きること、生きていくことで出会う時間と空間の多様さが、そこにあります。
そのどれもが、生きること、生きていくことの困難さ、大切さを秘めています。
ご高覧よろしくお願い致します。
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
会期
2008年5月19日(月)ー5月24日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内