石橋和典展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
正面壁面左から、タイトル「推移する"1個" AM 3:00」で、サイズは18×18cm、
「推移する"1個" AM 8:00」で、同サイズ、
「推移する"1個" AM 0:00」で、同サイズ、
「推移する"1個" AM 4:00」で、同サイズ、
「推移する"1個" AM 11:00」で、同サイズです。
キャンバスに油彩です。
右壁面左から、「推移するイメージ S3」で、45.5×38cm、
「推移するイメージ S2」で、同サイズ、
「推移するイメージ S1」で、同サイズです。
ミックスドメデイアです。
入口横右の壁面と左側の壁面です。
入口横右壁面左から、「エジプト旅行 ( 夜 )」で、41×32cm、
「エジプト旅行 ( 昼」 )で、同サイズです。
キャンバスに油彩です。
左側壁面、「推移するイメージ」で、72.5×91cmです。
ミックスドメディアです。
画廊内は以上の十一点で、その他芳名帳スペースに一点の展示があります。
正面壁面の連作です。
描かれているのは椅子のようなモノです。
その椅子のようなモノを見続けて、描き続けた作品です。
入口横右壁面の連作です。
椅子のようなモノが、縦に二つ描かれています。
左はモノと背景の境が曖昧で、渾沌としています。
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左壁面の作品です。 木枠にキャンバスが張られ、その上に和紙が貼られ、鉛筆で椅子のようなモノが描かれています。 うっすらと木枠が透けて見えていますね。 |
この作品を見ていると、椅子のようなモノが人間にも見えてきます。
もしかしたら、自画像かもしれません。
描かれたモノを人間だと思って見ると、上の椅子のようなモノはすべて人間に見えてしまいます。
一人の人、並んだ人、といった具合に。
石橋さんに尋ねてみました。
「描かれたモノは椅子のようなモノですが、椅子を描いたわけではなくて、形のあるモノです」。
形のあるモノを描くことは、見る者に画面の入口を提示します。
そこから、作品世界に入っていけます。
自画像にも見えるのですが?
「そういわれれば、自画像かもしれません」。
石橋さんの一番の関心は自分自身の存在にあって、その意味を探るために絵を描き続けているそうです。
わたし達は事物に囲まれた世界に生きていて、その存在の意味を深く知ろうとしません。
そうしないと生活が停滞してしまうし、何となく面倒な気がするからです。
でも続けている生活の惰性にも、時々飽き飽きしてしまいます。
何て退屈な毎日、なんてね。
存在の意味を知ろうとしたら、まずソレを見続けることです。
そのイメージをとことん見続けることです。
そして、それを描くことです。
見ることと描くことは相互作用して、存在に近づいていきます。
近づいたと思ったら、ソレは急に遠ざかってしまい、仕方なく又見続けます。
そして、又描きます。
絵画とは、絵を描くとは、このようなことかもしれません。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2000年藍画廊個展
2001年藍画廊個展
2003年藍画廊個展
「美」と「術」2001年展