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「美」と「術」2001




「美」と「術」は本展で七回目になります。
今回は、石橋和典、加藤学、みわ はるきの三氏に出品をお願いいたしました。
絵画の展覧会です。



画廊入口からの展示風景です。
左はみわさんの大作(227.3×181.7cm)。
アクリル絵具に綿布です。
右は石橋さんの作品(90.5×90.5cm)。
同じく、アクリル絵具に綿布です。



こちらは道路側入口からの展示風景です。
左の作品(145.5×112cm)が石橋さん、正面(97×104cm)とその左(41×32cm)は加藤さんの作品です。
加藤さんの作品は、アクリル絵具にキャンバスです。
画廊内は以上の五点で構成されています。

その他、画廊入口の芳名帳スペースに加藤さんの小品が二点、道路側ウィンドウにみわさんの作品が四点展示されています。
全作品に題名がついています。
(題名は画廊入口に掲示してあります。)

各作家の作品について簡単に御紹介してみたいと思います。


加藤さんの正面の作品の部分です。
全景の写真はディティールが分かり難いので、敢えて部分を載せました。
是非会場で全景をご覧下さい。

地は、薄いピンクで描かれた山水画のような風景にみえます。
それに対して、図は筆の多様な動きが特徴的です。
その間(地と図の間)に何ともいえない空気が感じられます。
その三つの要素の関係性がこの作品の秀でたところです。
雄大にして、軽やか、
全てが移ろいながら、全てがそこに存在する絵画空間。


加藤さんの作品には東洋の風景画の考え方を感じます。
アクリル絵具でキャンバスに描かれていますが、その精神は東方に宿っています。
かといって、それが折衷になっていないのは流石です。


展示風景下の左側に写っている石橋さんの作品です。
石橋さんの制作方法や作品に対する考え方は個展の御案内をお読み下さい。
左の写真では良く分からないと思いますが、上から五分の一あたりで綿布が横に縫われています。
縫ったラインはクッキリと画面を横切っています。
(展示風景でキャンバスの横を見ると分かります。)
綿布のサイズの問題で縫う必要が生じたそうですが、これは石橋さんの作品制作に対する態度も現しています。


ほぼ黄色一色の画面ですが、よく見ると白や赤の色がボンヤリと見えます。
画面の前後の見当がつかない、不思議な空間構成です。
遠近法的な奥行とは無縁の、何かと何かの間にある空間だけが現出しています。
この空間の独特な在り方は、絵画の独特な在り方ともいえます。
この作品も写真では分かり難い作品です、実物を画廊でご覧いただきたく思います。




みわさんの小品(0号)です。
道路側ウィンドウに展示された作品の中の一点です。
花ですね。
色彩と形体の調和が見事です。

画廊内の大作も花が描かれています。
画面を囲むように描かれたアーチが今までに無かったモチーフです。


みわさんの作品は分かりやすそうで、その実、難解です。
描かれている対象の本体である主題が難解だからです。
その難解さは、みわさんが体当たりで挑んでいる西洋美術の構造から来ているものかもしれません。
難解さは、みわさんの魅力の一つですが、上のような小品もみわさんの魅力の一つです。

三者三様の絵画。
年末何かとお忙しいとは存じますが、御高覧よろしくお願いいたします。

藍画廊 本展企画担当 ふくだ まさきよ





会期

2001年12月10日(月)-22日(土)

12月16日(日)休廊

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内




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