内田かんぬ展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面の壁面です。 左から、タイトル「注意事項」で、 サイズは40×40×3.5cm、 「ミルク」で、30×30×3.5cm、 「流し」で、91×91×3.5cmです。 |
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右側の壁面です。 |
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左側の壁面です。 「CD」で、120×120×3.5cmです。 以上の六点で本展は構成されています。 作品はベニヤパネル、綿布、ジェッソ、ジェルメディウム、アクリルガッシュを使用しています。 |
展示作品を一点づつご覧いただきます。
左側壁面の「CD」です。
CDをセットする場面のクローズアップ、でしょうか。
人さし指でCDの中心を押さえ、他の指でCDを支える。
何気なくしている、いつもの動作ですね。
光を反射しているCD面の描写が、内田さんらしい作品です。
CDが登場した当時、反射は未来的な虹色に見えましたが、今ではすっかり日常となりました。
日常の動作、仕草(手とモノの関わり)をクローズアップして、ストップモーションした作品です。
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正面壁面の作品、「注意事項」と「ミルク」です。
「注意事項」は薬の印刷のアップで、「ミルク」はコーヒーのミルクのアップです。
「ミルク」はドトールコーヒーのミルクですね。
いずれもプリント(印刷物)のクローズアップですが、図の切り取り方に内田さんの特徴があります。
パネルのカタチも、いつものように正方形です。
同じく正面壁面の「流し」です。
水道の流しと手のクローズアップ。
「CD」と同じコンセプトで制作された作品です。
流しの白と背景の赤のコントラストが鮮やかな、絵画です。
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右側壁面の「干し方」と「クズ」です。
衣類に付けられた干し方のプリントと、ゴミ箱のクズ(屑)です。
内田さんが目をつけた実際の印刷物や場面は、もっと複雑に色やカタチが入り組んでいます。
それを、内田さんの方法でトリミングして、単純化する。
単純化とは省略化のことで、省略することによって、何かを浮かび上がらせます。
浮かび上がるものは、日常を構成しているモノや、モノと絡む(人の)手の動作、仕草です。
内田さんが目をつけたモノや、動作、仕草。
それはあまりにも日常的すぎて、記憶の奥底に追いやられている事物です。
それを、単に描いているのではなくて、愛情を込めて描く。
そう、内田さんの絵画には「愛情」があるのです。
ご高覧よろしくお願いいたします。
<今回の撮影は藍画廊 菊池絵子が担当しました>
2001年藍画廊個展
大胆不敵展(内田かんぬ/佐藤梨香/綿引展子)
2004年藍画廊個展