藍 画 廊


福田正明展
思考せよー社会の空気に流されないためにー
FUKUDA Masaaki


福田正明展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上6点で福田正明展は構成されています。
作品はすべてキャンバスにアクリル絵具で、タイトルも「文化」です。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端の作品です。
サイズは803×1303mmです。



左壁面、右端の作品です。
455×652mmです。



正面壁面の作品です。
894×1455mmです。



右側壁面、左端の作品です。
455×652mmです。



右側壁面、右端の作品です。
803×1303mmです。



入口横壁面の作品です。
273×455mmです。

〈作家コメント〉
社会の価値観や個人の経験に流されずに一度、自分自身で考えてほしい。

今回の福田さんの作品、入口横壁面の作品以外は文字とコスプレの女子で構成されています。
文字はアニメのセリフを引用しています。
大きな作品の中央には日本の代表的な風景である、富士山と雷門が描かれています。
すべて作品のタイトルは「文化」。
直球のタイトルでクールジャパンを俎上に載せています。

福田さんはマンガやアニメなどのオタク文化が脚光を浴びる直前の世代です。
蔑まされたオタク文化が一夜にしてクールジャパンに変貌し、国家の文化戦略になったのを目の当たりにしています。
マンガやアニメの影響を受けていながら、その一転した経緯に複雑な心境を覚えたそうです。
国家の権威によって多くの人の価値観が変わる。
その変化の不可解さが制作の原点になっています。

国家戦略に則った文化の悲惨さは戦争画を持ち出すまでもありません。
明治期からの国家戦略の末裔である日展の惨状をみれば充分です。
遠い昔に時間が止まったあの展示のどこに文化があるのか。
クールジャパンがその二の舞にならない保証はありません。
本来、国家と文化は相容れないのです。
ヨーロッパの国民国家の成立基盤に美術などの芸術一般があることが、その矛盾の源です。
(詳しくは松宮秀治『ミュージアムの思想』を参照して下さい。)

話を福田さんの絵画に戻すと、ここ数年はコスプレの女子をメインに描いています。
コスプレとは簡単に言えば仮装のことで、アニメやマンガのキャラクターに扮することです。
ハロウィンも仮装が伝統ですから、そう珍しいことではありません。
近代人が自我に目覚め、自分探しを始めてコスプレに行き着く、これも不思議はありません。
問題はその過程で<自分自身で考える>ことをしなくなることです。
そこが福田さんの作品の肝心なところで、これは情報化社会の問題点とも重なります。

西洋絵画の形式を借りて、日本の文化の在り方を問う。
この錯綜した構造をシンプルに見せるのが福田さん絵画の特色です。
巧みに西洋絵画の遠近法を回避して、フラットな平面に事物を収める。
分割した画面にセリフの文字。
マンガを意識したような構成、返す刀でオタク文化を問いかける。
その批評性の切れ味が作品の身上です。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2017年藍画廊個展

2018年2月26日(月)ー3月3日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内