藍 画 廊




平田星司展

ルクレティウス/Lucretius
HIRATA Seiji

平田星司展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「The fall No.6 」、「The fall No.4 」、「The fall No.5 」で、
サイズは3点共45.5(H)×58.0(W)cm、キャンバスにアクリル絵具です。



正面の壁面です。
左から、「The fall No.7 」、「The fall No.2」で、サイズは共に45.5×58.0、キャンバスにアクリル絵具です。




右側の壁面です。
左の2点は「The fall No.3 」「The fall No.1 」で、サイズは共に45.5×58.0、キャンバスにアクリル絵具です。
右端は「ダリラ/Dalilah」で27.0×26.0、キャンバスに水彩、メディウムです。



入口横の壁面です。
「Indirections」で170.0×130.0、キャンバスにアクリル絵具、ビニルエマルジョンです。

以上の9点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。



左壁面の「The fall No.6 」です。
キャンバスにアクリル絵具の作品ですが、何かヘンですね。
この画像で見ると、鏡面の上にキャンバスを立てたように見えます。
実際の画廊で見ると、下半分がエアコンの風でピラピラとそよいでいます。
横から作品を見てみましょう。



太さ2cmほどのアクリル絵具のラインが横にズラッと並んでいます。
そして上半分はキャンバスに貼られていて、下半分はそのままダラリと垂れ下がっています。



The fallシリーズの4点です。
どれも「The fall No.6 」と同じ制作方法です、
太さ2cmほどの筆で、ホワイトパネルのようなツルリとした面に、垂直に線を引きます。
それが乾いたらそっと引き剥がし、キャンバスに横並びに貼っていきます。
筆跡の線の長さとキャンバスの長さが異なるので、余った分はダラリと下に垂れるという寸法です。



右壁面の 「ダリラ/Dalilah」です。
これは筆跡ではなく、小さなキューブ、箱のようなものを作り、内側が乾燥して空洞になった後にキャンバスに貼ったものです。
原理としてはThe fallシリーズと同じです。



入口横壁面の「Indirections」です。
これもThe fallシリーズと同じように、他の場所で描いた図を、自由に切り抜いて、キャンバス上で再構成したものです。

〈作家コメント〉

筆跡を皮膜として取り出して、自由にオブジェのように扱うこと。
それらを別の画面上でアレンジし、新たな関係をみつけること。
統御された心身からずれていく過程から生まれるイメージ。
境界を越えることもそのひとつ。


美術の面白さに、思考の柔軟さがあります。
当たり前のことを当たり前と思わず、疑ってみること。
そこから視点の移動が始まり、美術という枠を超えていく。
言ってしまえばそれも美術ですが、その過程のスリルは捨てがたいものがあります。

平田さんの作品、充分にスリリングです。
絵画は物質ですが、その言い古された言葉とは違う意味で、絵画の物質性を示しています。
絵画の表面=皮膜は剥がされると物質ですが、再度キャンバスに貼られると、物質性が薄められる。
ところがキャンバスをはみ出た筆跡は、宙ぶらりんの状態で、物質であることを止めません。

この中途半端な状態はヘンです。
と同時に、ありきたりの美術を超えた美術が
そこには存在します。
それは、新たな関係の構築です。
物質云々等の言説から解き放たれた、自由な美術の関係の構築です。

平田さんの作品で一貫しているのは理論ではないと思います。
思考の柔軟性です。
だからその作られた作品は、常に既成の形式から外れています。
美術としか、名付けようのないもの。
それが平田さんの作品で、作品の魅力です。

ご高覧よろしくお願い致します。


2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2008年藍画廊個展

作家Webサイト


 

会期

2012年9月3日(月)ー9月8日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内