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藍 画 廊



平田星司展 残されるもの/Leftovers


画廊の中央に椅子がひとつ。
思わず座ってみたくなりますが、座ってはいけません。
この椅子は平田星司さんの作品であり、観られることを主眼にしていますから。



展示風景です。
前回は小さな絵画一点だけの展示でした。
しかも濃いグレーの絵画でした。
今回は落ち葉を貼り付けた平面が二点、ガラス片の立体が二点、椅子にペイティングした作品が一点です。

落ち葉の平面作品のサイズは二点共、109(H)×195(W)cm。
落ち葉は、平田さんがご自宅の近所の公園等で集めたものです。
それをビニールエマルジョンで貼り付けています。

クローズアップです。
銀杏が多いのが分かりますね。
隙間なく貼り付けると、銀杏の形が画面にリズムを生みます。

落ち葉のコラージュ、あるいは落ち葉のジグソーパズルといった趣もある作品です。


ジグソーパズルといえば、右のガラス片を集めた作品もジグソーパズル。

海辺の砂浜に捨てられていた瓶のガラス片をエポキシ樹脂で接着した作品です。
棚にも海砂が貼り付けられています。
サイズは9.5×12×15cm。


こちらもガラス片の作品です。
サイズは上の作品と同じです。

海辺に捨てらた瓶が、何かの拍子に割れてガラス片となり、海水や砂に洗われ続けたのでしょう。
鋭利であった角が円くなり、透明だったガラスも磨りガラスのようになっています。

そんなガラス片を拾い集めて形を少しだけ復元した作品です。


このガラス片の作品は、海辺の長い月日を内に含めた優しいガラスの色合いと形、ガラスとガラスの隙間も美しい作品です。
(平田さんの過去の作品には、ほぼ完全に瓶の形に復元したものもあります。)

最後は椅子の作品の紹介です。
この椅子も拾ってきたものです。



座部と脚や背もたれの一部に、岩絵具とエポキシ樹脂でペインティングが施されています。
サイズは、46×38×92cm。
カラフルな彩色が、今までの平田さんの作品と異なった面を持っています。

落ち葉とガラス片と拾われた椅子。
日常でありふれていながら、視界が捉えない朽ち果てようとしているものたち。
堆積された時間の意味と美しさに気付くこともない。
作家がそれにそっと手を触れた時・・・・。

ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2002年5月27日(月)-6月1日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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