立原真理子展
TACHIHARA Mariko
立原真理子展は7点の作品で構成されています。
個々の作品は独立していますが、全体として1点のインスタレーション作品にもなっています。
作品の詳細をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側壁面、左端の作品です。
タイトル「五丈殿 祭礼の場」(刺繍糸、蚊帳、フレーム)でサイズ36.5×44.0×3.0cmです。
左壁面、右端の作品です。
「とおくの冬」(刺繍糸、蚊帳、障子)で107.5×69.0×2.8 cmです。
正面壁面の作品です。
「石和の空き地」(透明水彩、紙)で41.0×52.0 cmです。
正面壁面、エアコン下の作品です。
「青蓮院のおく」(刺繍糸、蚊帳、フレーム)で22.0×27.2×3.0 cmです。
右壁面、左端の作品です。
「奥山」(透明水彩、紙)で41.0×31.8 cmです。
左壁面、中央の作品です。
上は正面から、下は斜め横からのカットです。
「庭とおく」(障子、透明水彩、紙)でサイズ可変です。
右壁面、右端の作品です。
「針金のある空き地」(刺繍糸、蚊帳生地、フレーム)で52.7×41.2×3.0 cmです。
その他、多数のドローイング(透明水彩、紙)がカウンター上の作品ケースに収められていて、自由に見ることができます。<作家コメント>
空間を隔てながらも透過性のある「網戸」や「蚊帳」を支持体とし、刺繍糸で風景を描き重ねることで「内側と外側」「彼岸と此岸」「時間」といった風景の中の境目の在り方を探っています。
近頃は「奥」という領域にも思いを巡らせています。立原さんの作品を簡単に記せば、半透明の蚊帳や御簾に風景の刺繍を施したもの、同様に紙に透明水彩で描いたものと言えます。
紙の作品と刺繍の作品は同等で、前者はエスキース(下書き)に類するものではありません。
テーマにしているのは、結界などの、風景に存在する境界です。
結界は神社の鳥居、しめ縄などで馴染みがありますが、元々は仏教の言葉のようで、葬式の幕なども結界です。
何れにしても、印(a sign)によって聖域と俗に境界を作ることが結界の意味です。
結界は風景だけでなく、生活の中にもありました。
例えば、暖簾。
これも聖と俗を分ける印で、少し前までは台所に暖簾をつける習慣がありました。
これは火による災いを避ける意味がありました。
暖簾に限らず近代以前は至る所に結界があり、それが風景や人の生活と強く結びついていました。
その結界の意義を問い、風景の重層性を表すことが立原さんの作品と言えます。
実際の作品を見ると、余白が多いことに気が付きます。
この余白は西洋絵画の遠近法(透視図法)を解き放ち、キリスト教的な神=創造主からとは異なる視点を獲得しています。
余白は何もないようでいて、そこには風景の重層的な構造が隠されています。
描かないことは省略ではなく、想像力を喚起して、多様な視覚を促します。
今回の展示には古い障子も用いられています。
昔の職人さんの手作りによる丁寧な作りのものです。
障子も結界の一つで、「うち」と「そと」を分けるものですが、庭に面した障子の向こうには概ね縁側がありました。
縁側は「うち」と「そと」の緩衝地帯です。
これがあることによって家と地域、世間との交換、交流を図りました。
日本の里山なども、人と野生動物の緩衝地帯です。
緩衝地帯=隙間も立原さんのテーマの一つで、わたしたちの(自然観察としての)風景に問いを投げかけています。
ご高覧よろしくお願い致します。
2013年立原真理子藍画廊個展
2014年立原真理子藍画廊個展
2017年iGallery DC二人展
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立原真理子展
会期:2021年1月7日(木)〜1月24日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール