シリーズ/山梨の現代美術作家 Vol.2
サイトウショウ×立原真理子 展
SAITO Sho×TACHIHARA Mariko
本展は「シリーズ/山梨の現代美術作家」の第二回の展示です。
展示風景です。
各壁面ごとの展示を御覧下さい。
<サイトウショウ>画廊入口から見て、左壁面左端の展示です。
<立原真理子>左壁面右側の展示です。
<立原真理子>正面壁面の展示です。
<サイトウショウ>右側壁面の展示です。
<立原真理子>カウンター上の展示です。
以上の12点でサイトウショウ×立原真理子展は構成されています。
作品の詳細を御覧下さい。
まずサイトウショウさんの作品です
左壁面、左端の作品です。
タイトル「Outside-Re:form」(紙・墨)でサイズ1100×480×240mmです。
右壁面、左端と左から2番目の作品です。
左は「Outside-Re:layer」(パネル・紙・墨)で650×650×50mmです。
右は「Outside-Re:layer」(パネル・紙・墨)で650×650×50mmです。
右壁面、左から3番目、4番目、右端の作品です。
左は「Outside-Re:layer」(パネル・紙・墨)で650×650×50mmです。
中央は「Outside-Re:layer」(パネル・紙・墨)で650×650×50mmです。
右は「Outside-Re:layer」(パネル・紙・墨)で650×650×50mmです。
次は立原真理子さんの作品です。
左壁面、左の作品です。
「しるしと網戸」(紙・透明水彩)で286×242mmです。
左壁面、右の作品です。
「しるしとしろ」(網戸・刺繍糸)で835×558mmです。
正面壁面、左端と右端の作品です。
左は「伊勢の一角」(紙・透明水彩)で397×545mmです。
右は「菊のある庭」(紙・透明水彩)で325×405mmです。
正面壁面、エアコン下の作品です。
「水のしるし」(蚊帳・刺繍糸・フレーム)で270×220×20mmです。
カウンター上の作品です。
「赤い柵」(蚊帳・刺繍糸・フレーム)で160×110×20mmです。<作家コメント サイトウショウ>
作品が昨日までとは違う姿を見せる。
何が違うのか。向き合って、感じる。
そうすると身体が反応する。
昨日は良い反応だった。
今日は納得していない。明日はどうなるのか。
最後まで作品との真剣な向き合いを楽しみたい。
<作家コメント 立原真理子>
「しるしとそと」紙垂の白がひらひらと揺らぐのを眺めていると
ざわざわとした静寂にのまれていくしるしをつなぎ、風景を重ねる度に
やがて無辺の奥行きとなるーーー
風景のなかの境目の在り方をテーマにしている。
近年は空間を隔てる戸でありながらも、透ける、空気や光を通す、 など
その境目が曖昧である「網戸」や「蚊帳」を支持体とし、 刺繍糸で風景を描く
サイトウショウさんと立原真理子さん、ほぼ同世代で、サイトウさんは山梨在住、立原さんは東京在住でiGallery DCのアシスタントを担当しています。
出品作はモノクロームの彫刻に対して、カラーの立体、ドローイング。
対照的ですが、作品の深いところでは共通する何かを感じます。
サイトウさんはパネルに紙と墨の半立体、及び紙と墨の立体ですが、その紙とはティッシュペーパーです。
ティッシュペーパーを水に浸して重ね合わせ、粘土のように捏ねながら造形していきます。
モチーフはなく、ほとんど即興のようなスタイルで制作を進めます。
パネルの作品は天地左右が決められおらず、随意に展示することが可能です。
制作から展示まで、とても自由度の高い作品ですが、表現全体は緻密な計算に基いていてラフな印象を与えません。
サイトウさんの制作意図はルーティンから逃れることに眼目が置かれているように思えます。
つまり手癖からの脱却であり、意識ではなく無意識を重視した制作です。
予め想定されたモノを再現するのではなく、自らも未知な意識の奥底にアクセスする手法です。
そこから浮上しているのは、己とは何かという疑問であり、世界とは何かという問です。
ティッシュペーパーというイレギュラーな素材を使いながら、コンテンポラリーアートの正統を行く作品で、決して変化球の投げ手ではありません。
立原はドローイングこそ オーソドックスですが、立体、インスタレーションに用いる素材は網戸、蚊帳に刺繍というイレギュラー。
テーマは風景とその境目。
半透明で境目が不確かな網戸や蚊帳に着目し、西洋的な遠近法に真っ向から挑んでいます。
と言っても、その作法は上品であり、優雅です。
その辺りの懐の深さは、ある意味日本の伝統の継承になっているのかもしれません。
本展の出品作を見ると、しめ縄、紙垂など神社の結界を表す「しるし」が印象的です。
城壁などの物理的な「しるし」ではなく、紙や糸で区切られた領域。
見た目はソフトな「しるし」ですが、そこは特別な領域であって、儀礼を通過しないと立ち入ることが出来ません。
翻ってみると、わたしたちの生活にはそのような領域はありません。
風景はフラットでどこまでも続いています。
立原さんは、そのような「風景の組み換え」に興味が行っているように見えます。
風景は昔からそのように在ったにも係わらず、わたしたちの意識が見る風景はまったく異なってしまった。
なぜだろうか。
そこから制作が始まって、地の縁に深くコミットした風景を表現しています。
それは、わたしたちの立っている場所を掘り下げる、とても根源的な仕事でもあります。
さて、共通点。
それは紙です。
その意味するところは、各自で考えていただければ幸いです。
ご高覧よろしくお願い致します。
2016年サイトウショウiGallery DC個展
2013年立原真理子藍画廊個展
2014年立原真理子藍画廊個展作品の価格は2018年1月まで有効です。
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iGallery DC シリーズ/山梨の現代美術作家 Vol.2 サイトウショウ×立原真理子 展
会期:2017年2月26日(日)〜3月26日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜19:00
会場アクセスと展覧会スケジュール