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若宮綾子展
WAKAMIYA Ayako

若宮綾子展の展示風景です。

若宮綾子展は24点の立体作品で構成されています。
作品はシナベニヤ、パステル、クレバス、水性インクを使用していて、タイトルはありません。
作品の詳細をご覧下さい。

左壁面、左端、左から2番目の作品です。
左はサイズ8×4×3cm、
右は8×17×8cmです。

左壁面、左から3番目の作品です。
60×60×10cmです。

左壁面、左から4番目、右端の作品です。
左は9×13×6cm、
右は9×20×5cmです。

正面壁面、左端、右端の作品です。
左は22×5×7cm、
60×60×4cmです。

正面壁面、エアコン下の作品です。
8×16×6cmです。

右壁面、左端、左から2番目、3番目の作品です。
左は12×40×4cm、
13×6×6cm、
22×22×4cmです。

右壁面、左から4番目、5番目、右端の作品です。
左から20×27×6cm、
24×32×4cm、
25×32×6cmです。

カウンター上の左端、左から2番目、3番目の作品です。
左から18×18×2cm、
5×23×2cm、
7×6×6cmです。

カウンター上、左から4番目、5番目、6番目、7番目の作品です。
左から7×9×8cm、
4×6×12cm、
5×24×3cm、
2×7×20cmです。

カウンター上、左から8番目、9番目、右端の作品です。
左から、3×4×12cm、
10×3×3cm、
4×10×10cmです。

＜作家コメント＞

木で箱を作ろうとしたが
いまある板では長さが足りない。
取り敢えず
隙間が出来ても貼り付けておく。
この箱は取り敢えずの積み重ね。
明日の出勤すらわからない毎日だもの
取り敢えず
手を動かしてみよう。
この空が美しいと思えるうちは

家族の日常をテーマに作品を制作しています。
ここのところ、高齢の父と向き合う時間が長くなりました。
隣の部屋に物を取りに行くことすら出来ない不自由な中で、それでも彼は手元にある物を代用し、
その場を凌ぎます。明日という日が来るのかわからないけれど、
今という時を逞しく乗り切るのです、、、取り敢えず。

私たちは今、目に見えぬウィルスに怯えたり耐えたり怒ったりしながら生活しています。
外との繋がりを断たれ、不安がる家族の中で、誰よりも飄々と過ごしているのは、日頃から
「取り敢えず精神」で生活している父でした。
毎日なんて綱渡り、生きることこそが不自由なのだと、傾いて歪んで隙間だらけの後ろ姿が語っています。

わたしが小学生のころ（昭和30年代前半）、町にはバラックと呼ばれる建物がありました。
戦時中の空襲で焼けた住宅の代わりに建てた仮設の家のことです。
多くは板切れとトタンで組んだ簡素なものです。
それは戦争の爪痕ともいえる、物悲しい住まいでした。

若宮さんのシナベニヤで作られた立体は、どこかあのバラックを思い出させます。
ただし、そこには悲しみも貧しさもありません。
板と板の間の隙間やカタチの歪みが、程良い緩さを生んでいて、とてもリラックスした気持ちになります。
色も眼に優しく、落ち着きがあります。
同じバラックでも、戦後のそれではなく、狩猟採集民の仮設住居（木や草で作った移動中の住まい）に近い感触です。
定住するのではなく、フットワーク良く移動する民の住居です。

作品の家に住まうのは（想像するに）概ね家族ですが、狩猟採集民と同じように関係は流動的です。
近代的な一夫一婦でもなく、子供も共同体全体で育てています。
つまり、家族も隙間があって、緩やかに動くのです。
先の先まで見通して人生計画をしっかり立てるよりも、取り敢えずを優先して出来ることから片付けていく。
そんな「その日暮らし」の歩みの自由さが、作品の佇まいからうかがわれます。

作品は既成の形式に収まりません。
若宮さんの美術家としてのスタートは絵画ですが、そこから立体、インスタレーションの形式を加味して、独自のスタイルを作っています。
そのこと自体は今の美術では珍しくもありませんが、中身（テーマ）と形式の相性（マッチング）は秀逸です。
このテーマあっての形式であり、この形式あってのテーマです。

移動の住居といえばテントが思い浮かびますが、最近はキャンプ、とりわけソロキャンプが流行りとか。
多くの人が仮設と「その日暮らし」に憧れる時代なのかもしれません。
単なる趣味の問題ではなく、どこかで息抜きが必要な世の中なのでしょうね。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト１
プライスリスト２

2001年藍画廊個展
2002年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2010年iGallery DC『DC1』
2010年藍画廊個展
2011年iGallery DC個展
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2018年藍画廊個展

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若宮綾子展
会期：2020年６月11日（木）〜6月28日（日）
開廊日：木・金・土・日
時間：12:00〜18:00

会場アクセスと展覧会スケジュール