藍 画 廊

井上誠展
- へや -
INOUE Makoto


井上誠展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の17点で井上誠展は構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。

 


左壁面、左側の2点です。
左からタイトル「うた 」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、サイズ595×420mm、
「そぞろ 」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、606×727mmです。



左壁面、右側の2点です。
左から「さがしもの 」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、728×1030mm、
「みち」(Oil on Canva)(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、420×297mmです。



正面壁面の作品です。
「ことづけ」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、1455×1455mmです。




右壁面、左側の4点です。
左から「twilight 」(アクリル絵の具)で300×300mm、
「watchman 」(アクリル絵の具)で300×300mm、
「waft 」(アクリル絵の具)で300×300mm、
「stagnant 」(アクリル絵の具)で300×300mmです。



右壁面、右側の3点です。
左から「drift 」で(アクリル絵の具)で600×900mm、
「gift」で(アクリル絵の具)で273×220mm、
「destination 」で(アクリル絵の具)で333×530mmです。

 


入口横壁面の作品です。
左から「chamber_01 」(アクリル絵の具)で210×148mm、
「chamber_02 」(アクリル絵の具)で210×148mm、
「ひみつ」(パネル、和紙、アクリル絵の具)で273×148mm、
「とばり」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )でφ410mm、
「あと」(パネル、和紙、アクリル絵の具、岩絵の具 )で、297×420mmです。

 

〈作家コメント〉

漂ういきものと、その周りを囲む文様の間には、互いを隔たる朧げな境界が存在しています。
「集団・共同体の中にいながらも時折感じる言い知れない孤独」と、余白や間といった、物理的・心理的な感覚を表現できればと思っています。


井上さんの作品は二つのスタイルに分けられます。
一つは、絵画の地としての紋様、中間の和紙、図としての生物という三層構造になっています。
和紙は紋様を実際に包むような仕様になっていて、その上に生物が描かれています。
この薄い紙が「境界」として存在しています。
自己と集団(他者)を遮るものです。
それは観念的な「境界」だけではなく、絵画の「境界」としても重要な役割を果たしています。
背景(紋様)の色合いは、和紙独特の透明感が生み出しています。

もう一つは、和紙を使わず、白色の重ねとスクラッチ(擦り)で地を作っています。
身近な生活用品や遊具、花や生物を背景なしに描いたものです。
前者がフラットな画面だとすれば、後者はマチエールのある背景から図が浮き出ています。
いずれもテーマは集団、共同体からの(時として感じる)疎外や孤独です。
ただし疎外や孤独を一概に否定しているわけでは無く、それをある部分では受け入れている現代人の意識を描いています。

疎外や孤独は近代以降の人間に特有の感覚や感情です。
わたしが習った学校の歴史では、明治時代以降、人間は自由で平等になったと言われています。
それは否定できない事実ですが、少なからぬ問題も生みました。
疎外や孤独もその一部です。
道を修正するには、過去の歴史を参照するしかありません。
井上さんの絵画には、そのヒントがあるように思えます。
金魚の背景に描かれた紋様の意味を、もう一度考えてみる必要があります。
それは単なるデザインではなく、過ぎ去った時代の生活感覚と美意識が表されているからです。

ご高覧よろしくお願い致します。

作品リスト

2012年藍画廊個展
2021年藍画廊個展
2022年藍画廊個展

会期

2023年10月30
日(月)ー11月4日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)

会場案内