藍 画 廊

太田和寿展
OHTA Kazu


太田和寿展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。




右側の壁面です。

以上の6点で太田和寿展は構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。

 



左壁面左の作品です。
タイトル「“route”ドローイングNo.1(1997年の原案による) 」(紙、鉛筆)で、サイズ1455×970mmです。



左壁面右の作品です。
「“route”ドローイングNo.2 」(紙、鉛筆、コンテ、パステル)で、1455×970mmです。



正面壁面左の作品です。
「“route-2”(ドローイングNo.2の構図による)」(油彩、キャンバス)で、1620×1120mmです。



正面壁面右の作品です。
「“route-3”(ドローイングNo.2の構図による) 」(油彩、キャンバス)で、1620×1120mmです。



右壁面左の作品です。
「“route” 」(油彩、キャンバス)で、1620×1120mmです。



右壁面右の作品です。
「“route”ドローイングNo.3 」(紙、鉛筆、コンテ、パステル)で、1455×970mmです。

〈作家コメント〉
2021年と2022年の個展では、最小限の筆触で、画面を横切る線を左から右へ進ませることを実証できた。
今回の新しい作品は「route」と同じ色調で制作し、左から右へ進ませる仕掛けが見える形で筆触を置いていく。

太田さんの“route”(道筋)を解析するシリーズも藍画廊では4回目になります。
新たな展開は正面壁面の「“route-3”(ドローイングNo.2の構図による) 」に示されています。
分析のベースになっているのは、右壁面左端の「“route”」です。
絵の中央には、左から右に向かって線が描かれています。
これが「“route”」、つまり道筋です。
多くの人はこの線を見ると、左から右に流れているように思います。
又、通常は斜めの線は上方から下方に向かっているように見ます。
そのような人の視覚の性向とは逆に、下方である左から上方である右に線が進んでいるように見えるのです。
それはなぜか。
この線とまわりにある形との関係を実作で検証しています

太田さんの研究と実践は絵画の秘密に関することです。
絵画の秘密と言えば、デイヴィッド・ホックニーの著作『秘密の知識』、及び『絵画の歴史』が知られています。
ホックニーは西洋絵画の遠近法(透視図法)の不自然さについて詳細に述べ、理論を実際に自作で証明しています。
それは評論家とは違い、画家だからこそ実感として理解できることだと力説しています。
確かに説得力のある本で、大判で分厚いにも関わらず一気に読める面白さです。
太田さんの方法論もホックニーと同様で、美術家だからこその実験、実作だと思います。

ホックニーのついでで思い出すのが、ヨーゼフ・ボイス。
ボイスは彼の美術理論を黒板を使って講義したことで有名です。
来日した時も東京藝大で講義を行い、その黒板はボイスの作品として保存(所蔵)されています。
これも太田さんの絵画の解析を実作で行う方法と共通項があります。
いずれも、理性と感性がメビウスの帯のように展開されている様がとても興味深いと思います。

ご高覧よろしくお願い致します。

作品リスト

2019年藍画廊個展
2021年藍画廊個展
2022年藍画廊個展

会期

2023年9月25
日(月)ー9月30日(土)
11:30ー19:00(最終日は18:00まで)

会場案内