藍画廊

太田和寿展
OHTA Kazu

太田和寿展の展示風景です。



各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。

以上の4点で太田和寿展は構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端の作品です。
タイトル「“route”ドローイング No.1」( 紙、鉛筆)でサイズ1455×970mmです。



左壁面、右端の作品です。
「“route”ドローイング No.2」(紙、鉛筆、コンテ、パステル)で1455×970mmです。



正面壁面の作品です。
「“route”」(油彩、キャンバス)で1620×1120mmです。



右壁面の作品です。
「“route”ドローイング No.3」(紙、鉛筆、コンテ、パステル)で1455×970mmです。

〈作家コメント〉

1990年頃から直線や面(幾何学的形)で構成された実在しない空間のような抽象画を描いている。
前回の個展の作品と同じ構図のモノクロ作品(紙に鉛筆・コンテ等)で、形と明暗の要素を抽出し、絵
の成り立ちを探る。


太田さんの展示の基になっているのは、正面壁面の「“route”」です。
抽象ですのでモチーフはありませんが、昔見た映画の1シーンを思い出しました。
1985年公開「未来世紀ブラジル」(テリー・ギリアム監督)で、大きなダムのような場所に細い通路がかかっていました。
当時としてはとても近未来的な場面で、真っすぐ伸びた通路とコンクリートの巨大な半円形の設備(?)が印象に残っています。

太田さんの説明では、展示した作品の画面を横切る線は見る人にとって(通常)左から右への方向性があるそうです。
左側から右に伸びていると、感じるそうです。
わたしも確かにそのように見ていました。
抽象絵画のフォルムは線と面で出来ていますから、人の視覚や認識の在り方に多くを負っています。
であるなら、その仕組はどのようになっているのか。
それを実証するために、「“route”」を解析したのが今回の展覧会のテーマのようです。

わたしは最近、国立西洋美術館でコルビジェらのピュリスムの展覧会を見てきました。
ピュリスム=純粋主義は比例と幾何学をベースに置いた絵画運動です。
普遍的な規則と明快な構成を目指したピュリスムの思想は抽象絵画に影響を与えています。
太田さんの絵画はピュリスムほどの厳格さはありませんが、考え方には重なる部分がありそうです。

人の知覚を科学的に解明するのは限界があると思います。
しかし太田さんの手法のように、絵画を絵画(ドローイング)で解明するのは面白い。
もともとが現代の絵画にはメタ絵画の側面(作品に絵画とは何かを含む)が必須なので、突飛な発想でもありません。
抽象絵画の枠組みを解きながら抽象絵画を描く試み、御一見いただければ。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

 

会期

2019年5月13日(月)ー18日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内